更新日:2026年3月31日
ペット保険は、ペットの病気やケガの治療費に備える保険です。 ペットを飼われている人にとって、ペットは家族の一員ではないでしょうか。ペットが病気やケガをしたときには、より良い治療をしてあげたいと考えるかもしれません。 しかし、ペットの診療には人間のような公的な健康保険がないため、飼い主が治療費を全額負担することになります。治療費の負担に備えたいのであれば、民間の保険加入が選択肢の1つになります。 この記事では、ペット保険の特徴や選び方、注意点などを解説します。
ペット保険は、ペットが病気やケガをしたときの治療費負担に備えて加入する民間の保険です。ペットには、公的な医療保険がないため、保険で治療費の負担に備えるには民間の保険に加入しなければなりません。
ペット保険に加入すると、ペットの診療代や入院費、手術費の補助を受けられます。治療費の補助を「補償」といい、補償される金額は契約によって異なります。また、支払った治療費のうち、一定の割合で補償する契約や、一定額を省いた額を補償する契約など、補償される条件も変わります。
また、治療費に対する補償のため、健康な状態で行うワクチン接種などの施術は一般的に対象外です。
ペットが診療を受ける場合、かかった費用の全額が飼い主の自己負担になります。人間で例えると、保険適用外の自由診療だけを受けるイメージです。
日本国民が病院で治療を受けると、病院の窓口では治療費の1割から3割の支払いで済みます。もし、保険が適用されない場合の支払い額は、1割負担の人は約10倍、3割負担の人は3倍以上になります。保険適用外では、個人の負担額が大きくなるイメージ、ご理解いただけたでしょうか?
ペットは公的医療保険がないため、治療費や入院費の支払いが高額になりやすい傾向があります。治療方法によって支払額の差はありますが、補助がない分、比較的負担額が多くなってしまうのです。
もし、ペットの治療費の負担が気になる場合は、ペット保険も対策の1つです。また、保険を利用して個人の負担額を抑えられれば、高額な治療方法も選択肢に入れられるかもしれません。ペットの治療方法の選択肢を広げたい人にとっても効果的な方法の1つだと考えられます。
ペット保険で治療費の補助を受ける方法は、契約によって次のどちらかになるのが一般的です。
後日請求する方法は、多くの保険会社が採用しています。この方法では、飼い主が病院で支払った金額をもとに保険金を計算し、請求します。そのため、一旦は診療代の全額を飼い主が負担します。後日保険金を受取れますが、一時的に出費がありますので、一定期間耐えられるお金を準備しておくようにしましょう。
動物病院の窓口で補償額が差し引かれるのは、提携している動物病院がある場合に利用できる方法です。一部の保険会社が採用している方法で、人間の公的医療保険のような使い方ができます。
窓口で保険に加入している証明書などを提示し、負担額を支払います。契約者は自己負担分のみ支払えばよいので、一時的な支払いが不要です。
ペット保険は、ペットショップや保険会社で取扱っています。それぞれのメリットと注意点は次の表のようになります。
表1 ペット保険に加入できる事業者とペット保険の特徴
| メリット | 注意点 |
|---|---|---|
ペットショップ | ペット購入と同時に申込みができる。 保険を探す手間がかからない。 | ペット購入者のみ加入できる。加入できるのは、ペット購入から一定期間。 加入できるのは指定された保険のみ。 |
保険会社 | 加入できる保険が多い。 納得するまで保険を比較検討できる。 | 自分で保険を探すため、手間がかかる。 保険契約後、待機期間がある。 |
ペットショップではペットを購入するときに保険に加入できますので、保険を探す手間がかかりません。ただし、ペットショップが指定する保険を契約することになります。そのため、保険の選択肢が少ない可能性があります。
保険会社の場合は、少額短期保険会社や損害保険会社で契約できます。加入する保険を契約者が探す手間はありますが、自由に保険を選ぶことができます。保険会社のインターネットサイトから申込むのが一般的ですが、取扱いがあれば、保険総合代理店の窓口で申込める場合もあります。
ペット保険を選ぶときは、いくつかのチェックポイントがあります。今回は、代表的な4項目をご紹介します。
まず、自分のペットが補償対象かどうか確認します。ペット保険は、犬用の保険と猫用の保険のみの取扱いが多数派で、その他の動物対象の保険はあまりありません。しかし、小鳥やウサギなどの保険を取扱っている保険会社もありますので、犬や猫以外の保険が欲しい場合は、探してみましょう。
ペット保険でどのような補償を受けられるか確認します。特徴的な項目には、補償額上限や補償割合、免責などがあります。次のような項目を組み合わせて、欲しい補償が得られるか確認しましょう。
項目 | 内容 |
|---|---|
補償限度額 | 受取れる保険金の上限。 保険会社によって1回あたりの限度額が決められている場合や、総額が決められている場合などがある。 |
支払回数 | 1年間で保険金を受取れる回数の上限。 |
補償割合 | 支払った治療費のうち、保障される割合。 |
免責 | 自己負担金額のこと。 免責を設定することで、保険料が抑えられる |
また、どのような項目が補償されるかも大切です。手術や入院、通院など、同じ保険会社でもプランによって補償される内容が異なる場合があります。「日常的な診察も保険対象にしたい」と考えるのであれば通院も補償する保険、「長期の入院など、大きな出費を中心に備えたい」と考えるのであれば手術や入院をしっかり補償する保険など、目的に合わせた選択をするようにしましょう。
一般的に補償が厚くなると、負担する保険料も高くなります。たとえば、補償限度額が大きくなればなるほど、補償割合が大きくなればなるほど、払込む保険料も高くなります。
保険料の払込は保険に加入している間、ずっと続きます。受取れる治療費の補助と、保険料が家計に無理のない範囲であるか検討するのがポイントです。
治療費の補助を受ける方法によって請求方法が変わります。請求方法は、保険会社によっても異なりますが、ここでは一般的な方法をご紹介します。
契約者が支払った治療費の領収書を保険会社に送り、保険会社で領収書の内容が確認できると、保険金が振込まれます。
領収書は、データもしくは用紙を用いて送ります。近年は保険会社が指定するスマホアプリで領収書の画像を送付するのが一般的な方法です。もし、アプリを利用できない場合は、保険金請求書類とともに領収書を郵送します。
なお、アプリ送付の方が短時間で保険金請求書類を送れますので、郵送よりアプリ利用の方が入金までの時間を短縮できます。
この方法は、日本国民の公的医療保険のように利用できる方法です。保険会社へ保険金の請求は病院が行うため、契約者は自己負担分のみ窓口で支払います。
契約者は、保険会社と提携している動物病院で、加入証明書を提示します。窓口では、補償額を引いた分を支払うため、特別な手続きが必要ありません。なお、提携外の動物病院で治療を受けた場合は、後日清算する方法で請求します。
ペット保険にも注意点があります。ペット保険を検討するときは、次のような点に留意しましょう。
多くの保険会社では、犬用・猫用の保険のみ取扱っています。そのため、犬や猫向けの保険は種類が多く、補償内容や請求方法など、契約者が望む内容の保険が見つけやすい傾向にあります。
しかし、犬や猫以外の動物用の保険は、あまりありません。そのため、契約者が望む補償内容に近い保険を探すことが難しい可能性があります。
ペット保険は、数ヶ月から1年間の契約が多く、契約期間が終わると手続き不要で契約が更新されるのが一般的です。補償内容は変わりませんが、保険対象のペットの年齢が上がることにより、保険料が変わります。年齢が上がると病気やケガのリスクが上がる傾向にあり、保険料が上がっていくのが一般的です。
保険会社によっては、一定の年齢に達するとそれ以上保険料が上がらなくなるものや、終身保険に切り替えられるものもあります。このようなルールがあれば、保険料の上昇は止まりますが、それまでは毎年保険料が高くなっていくことに留意しましょう。
動物も人間と同様、年齢が上がると病気やケガをしやすい傾向があります。そのため、加入できる年齢に上限があるのが一般的です。高齢になってから保険加入を考えると、加入できる保険が限定的になってしまう可能性があります。
なお、新規で保険に加入する場合、多くの保険会社が7~12歳頃を上限にしています。もし、将来的に加入しようと考えているのであれば、そのくらいまでに加入しておく方が安全です。
なお、更新は終身でできる保険も多くありますが、保険によっては更新可能年齢が設定されている可能性があります。ペット保険に加入していても、生きている間ずっと保険に加入したい場合は、何歳まで更新できるか確認し、必要であれば終身可能な保険に切り替えるなどの対策を行いましょう。
また、ペットの年齢は保険に加入するとき、保険会社に正確に伝えなければなりません。もし、ペットの年齢が分からない場合は、動物病院で推定年齢を調べてもらいましょう。
ペット保険は、保険に加入した後、保険金を受取れない期間があります。この保険金を受取れない期間を待機期間といいます。期間は保険によって異なり、数日から数ヶ月間の場合もありますが、新規加入後1ヶ月程度が一般的です。
待機期間は、保険に加入したペットの健康状態を確認する期間でもあります。たとえば、保険加入時に健康そうに見えたとしても、病気の潜伏期間や自覚症状が出ていない状態かもしれません。そのため、本当に健康かどうか保険会社が確認する期間が設けられています。
もし、待機期間に病気の症状が出た場合は、治療費は全額自己負担です。待機期間後も治療が継続している場合は、その病気の治療費は補償されません。待機期間が過ぎれば、治療中の病気以外の病気やケガは補償対象になりますが、治療中の病気は完治するまで補償から外れます。
保険に加入するとき、健康状態を保険会社に申告します。この申告を告知といい、保険会社に聞かれたことについて正直に答えなければなりません。このことを告知義務といい、具体的な内容は保険会社によって異なりますが、一般的には、ペットの年齢や、現在治療中の病気やケガ、過去の病気のことなどです。
なお、嘘の告知をした場合は「告知義務違反」となり、ペットが治療を受けても保険金を受取れないばかりか、契約解除になってしまう場合もあります。
治療中の場合は、保険に加入できないことが多いのですが、治療内容によっては、対象のケガや病気以外、という条件で加入できる場合もあります。気になることは正直に伝え、保険会社に相談するようにしましょう。
ペットは家族の一員ともいえる大切な存在です。そんなペットが病気やケガで苦しんでいると、早く元気になってほしいと願う人も多いでしょう。
しかし、ペットの治療費は、飼い主が全額負担しなければならないため、高額の出費になってしまう場合があります。治療費の負担が気になる人にとって、民間のペット保険は治療費負担対策の1つです。
また、ペット保険は民間の保険ですので、契約内容によって補償対象も保障される金額も異なります。ペット保険を検討する際には、検討すべき点や注意点をもとに、ご家庭に合った補償を探してはいかがでしょうか。
承認番号:25-575(2029/2/8)