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【FP監修】いくらぐらいかかる?抗がん剤治療の費用

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国立がん研究センターの最新のがん統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性が65.5%、女性は51.2%です。そのうち、がんで死亡する確率は男性25.1%(4人に1人)、女性17.5%(6人に1人)とされています。

今回は、主ながん治療法といわれる「手術治療」「抗がん剤治療(薬物治療)」「放射線治療」の中から「抗がん剤治療」のメリット、デメリットを解説します。

万一がんにかかった際の備えとして、治療法を頭に入れておきましょう。

また、がんの治療には高額な費用がかかります。

その費用を賄う「がん保険」についても紹介します。

全がん細胞を破壊する効果がある抗がん剤治療

がんの治療法は大きく分けると「局所療法」と「全身療法」の2つがあります。

最初に「がん」の主な治療法について、次に「局所療法」と「全身療法」について簡単に解説します。

がんの主な治療法「三大治療」

現在、がんの治療は手術治療、抗がん剤治療、放射線治療の3つを中心に行われており、三大治療と呼ばれています。より高い治療効果を得るために、これらを組み合わせて治療計画を立てることもあります。

1.手術治療

がんの病巣が限定されているときに用いられる治療法です。

悪いところを取り除くことで、がん細胞が周囲の組織へ広がったり、他の臓器へ転移したりするのを防ぎます。

また、近年は体に負担の少ない内視鏡手術が行われるようになっています。

2.抗がん剤治療

薬物療法または化学療法とも呼ばれます。

がん細胞の増殖を抑え、再発や転移を防ぐ効果のある抗がん剤を投与する治療法です。

小さながん細胞にも効果があります。

3.放射線治療

がん細胞に放射線を当てて、がん細胞を消滅させる治療法です。

事前にがん細胞の大きさや位置を測り、がん細胞のある部分のみを集中的に照射し、がん細胞内にダメージを与えます。

局所療法と全身療法

局所療法(手術治療・放射線治療)

がんの部分とその周りの正常細胞の一部を切除、または、がん細胞を死滅させ、増殖を抑える治療法です。

がんが全身に転移していない場合に効果があります。

がんの病巣を切除する手術治療や、放射線を照射してがん細胞を攻撃する放射線治療が局所療法に含まれます。

全身療法(抗がん剤治療)

抗がん剤やホルモン剤を投与して治療する方法です。

抗がん剤を投与すると、血液の循環で全身のがん細胞に薬がいきわたり、がん細胞を破壊します。

ただし、正常な細胞にもダメージを与えてしまい、副作用が起きることもあります。

抗がん剤治療のメリット、デメリット

抗がん剤治療のメリット

1.転移・再発予防効果

抗がん剤が全身のがんに働きかけ、さまざまな場所に潜んでいる初期のがん細胞に効果があります。

その結果、転移や再発を抑える効果が期待できます。

2.手術治療や放射線治療の補助療法に効果的

がんの発症部位が限定的であれば、手術や放射線で効果的な治療が可能です。

手術治療や放射線治療が難しいがんであれば、抗がん剤治療でがんを小さくすると、手術治療や放射線治療が可能になる場合があります。

がんの進行度に応じて治療法を組み合わせることで、より高い治療効果が期待できます。

3.通院治療も可能

抗がん剤治療では食欲不振、倦怠感、吐き気などの副作用が起きるため従来は通院治療が難しかったのですが、副作用を抑える薬が開発されたことによって通院治療も可能になってきました。

すべての人が抗がん剤治療で通院治療できるわけではないものの、がん患者の生活の質(QOL)向上が期待できます。

抗がん剤治療のデメリット

1.抗がん剤治療の効果が弱くなることも

抗がん剤治療は、がん細胞を一気に取り除く手術や放射線で集中的にがん細胞を破壊する治療法ではないため、治療に時間がかかります。

治療が長くなることで、がん細胞に対して抗がん剤が効きにくくなってしまう場合もあります。(薬剤耐性)

2.抗がん剤治療による副作用

近年は副作用を抑える薬が開発されて通院治療が可能になってきていますが、抗がん剤治療は正常な細胞にも悪影響を与えます。そのため、副作用が完全になくなることはありません。

3.新たながんが生まれる可能性

抗がん剤治療によって、正常な細胞ががん細胞に変化するリスクがあります。

抗がん剤投与の影響でがんが発症することは二次性発がんと呼ばれます。

抗がん剤治療の費用と費用負担限度額

抗がん剤治療の費用

抗がん剤による治療費は治療目的、がんの種類、がんの進行度(ステージ)、抗がん剤治療で使用する抗がん剤の組み合わせ、患者の体格などによって大きく異なります。

また、抗がん剤の種類によっても変わりますが、抗がん剤治療は投薬期間と休養期間がワンセット(1クール)になって数週間をワンセット(1コース)として行われます。

これが長期間続くのか短期間で終わるのかは、がんの症状や患者ごとにさまざまです。

そのため抗がん剤による治療費は、一概にいくらかかるとはいえません。

厚生労働省の統計によると、胃がんの治療で入院した場合は、約67万円、通院した場合は約4万円の費用がかかっています。

加えて、治療が繰り返されると、その数倍〜数十倍の費用がかかります。

その他にも入院となれば差額ベッド代や食事費などがかかります。

費用負担限度額

保険診療の費用は原則、7歳以上70歳未満であれば3割を負担します。

しかしながら、保険診療にならない「先進医療」による治療費用、差額ベッド代などは全額自己負担です。

高額療養費制度の利用で負担が軽減

高額療養費制度とは

高額療養費制度は、1日から末日までの同一の月に発生した保険診療費の自己負担分が一定の金額(自己負担限度額)を超えたときに払い戻しを受けられる制度です。

ただし、保険外診療で発生した医療費は対象外です。

なお、1年以内に3回限度額を超え利用していると4回目から限度額が引き下げられます。

自己負担限度額

自己負担限度額は年齢(70歳未満、70歳以上75歳未満、75歳以上)や収入額によって細かく定められています。

例えば70歳未満の方であれば、制度を複数回利用した場合の上限額は24,600円から140,100円までの5段階に分かれています。

保険に加入しないで抗がん剤治療を受けると費用はいくら?

抗がん剤治療のおおまかな費用や、公的医療保険制度によって負担の軽減が可能ということがわかったと思います。

ここからは事例をもとに、保険に加入せずに抗がん剤治療を受けた場合にかかる概算費用を算出していきます。

今回の事例では、年齢50歳、年収が370万円〜770万円の男性を例とします。

事例:食道がん治療のため1週間入院をしながら抗がん剤治療(フルオロウラシル、アクプラの投薬)をした場合

※男性は身長170cm、体重70kg

※フルオロウラシル(5-FU)は1度の投薬で1810mgを、5日間連日で持続投与し、3週間の休薬を行うとする
※アクプラは1度の投薬で181mgを投与し、4週間の休薬を行うこととする
※今回の入院では薬物療法のみを実施

1週間入院をしながら抗がん剤治療(フルオロウラシル、アクプラの投薬)をした場合
抗がん剤の費用22,022円(3割負担)
入院費用 差額ベッド代(1人部屋に入った場合):8,322円 × 7(日) = 58,254円
食事代(厚生労働省が定める標準負担額):460円 × 7(日) × 3(食) = 9,660円
総費用22,022円 + 58,254円 + 9,660円 = 90,206円

2024年4月時点での情報を基に計算

自己負担額は90,206円となります。

実際に入院する場合には、これらの他に検査代や日用品代などもかかってきます。治療方針によって手術や放射線治療を行うことになれば、さらに費用負担は増えるでしょう。

今回の事例では、差額ベッド代の費用が大きな負担となっていますが、差額ベッド代や入院時の食事代は高額療養費制度の対象にはなりません。

また、がんの進行度などによっては入院期間がさらに延びることも考えられます。

公的医療保険だけでは治療費の負担が大きく、がんに対する不安が残りますね。

公的健康保険でカバーできない抗がん剤治療費はがん保険でカバー

がんの治療は長期化することがあります。

さらに、長期化して仕事を休むと収入が減少し、医療費が家計に与える負担が大きくなる可能性が出てきます。

また、入院が長期化すると医療費だけでなく、差額ベッド代や食費なども家計に重くのしかかってくるかもしれません。

これらに備えるために、がんの治療の保障が大きいがん保険を検討するのもいいでしょう。不安やリスクを減らすことにつながります。

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