終身保険ランキングを見る前に!比較ポイントと選び方をFPが解説
- 保 険医療保険
終身保険のランキングサイトを見ても、「1位だから安心?」「保険料以外に何を基準に選べばいい?」と迷うことはないでしょうか。ランキングは商品選びの参考になりますが、終身保険は保険料の払込期間や解約返戻金の仕組みなど商品ごとの差が大きく、順位や保険料だけでは比較しにくい保険です。
この記事では、終身保険を比較するときに確認したいポイントと、ランキングの活用方法をわかりやすく解説します。
【結論ボックス】
終身保険選びでは、何を比較するかを先に整理することが大切です。判断の軸は次の3つです。これらを確認したうえでランキングを活用すると、商品ごとの違いが見えやすくなります。ランキングは候補探しの参考とし、最終的には契約概要や約款で保障内容を確認して判断しましょう。
記事の要点3ポイント
- 終身保険を選ぶ前に、保障がいつまで必要かを整理する
- 定額・低解約返戻金型・変額・外貨建てでは特徴が異なる
- 保険料だけでなく、払込総額や解約返戻金も比較する
終身保険と定期保険の違いを押さえる
終身保険を選ぶ前に、まずは定期保険との違いを押さえておきましょう。保障期間や貯蓄性が異なるため、自分に合った保険を考えるうえでの基本になります。
終身保険と定期保険の主な違い
以下の表では、終身保険と定期保険の主な違いをまとめています。
| 項目 | 終身保険 | 定期保険 |
|---|---|---|
| 保障期間 | 一生涯 | 一定期間 |
| 解約返戻金 | あり(一部例外あり) | なし、または少額 |
| 保険料 | 高め | 割安 |
| 向いている目的 | 葬儀費用・相続資金の準備 | 子育て期などの死亡保障 |
一般的に、終身保険は一生涯の保障に、定期保険は一定期間の保障に向いています。まずは保障が必要な期間を整理します。
ただし、保険会社によっては、終身保険と定期保険それぞれの特徴を補う商品もあります。
加入目的を整理する
「一生涯の保障がほしいのか」「一定期間の保障で足りるのか」を先に整理すると、終身保険が自分に合っているかを確認できます。
たとえば葬儀費用や相続対策など、将来にわたって保障を残したい場合は、一生涯の保障が続く終身保険が選択肢になります。
一方、住宅ローン返済中や子育て期間中の保障など、一定期間に大きな死亡保障を確保したい場合は、定期保険が選択肢になります。
両方を組み合わせる方法もあります。まずは加入目的を明確にしておきましょう。
ランキング活用前に整理すべき3つのポイント
終身保険のランキングは候補探しに役立ちます。ただし、順位が高い商品が必ずしも自分に合うとは限りません。まずは比較の軸となる3つのポイントを整理します。
ランキングの評価基準を確認する
終身保険のランキングは、サイトごとに順位の決め方が異なります。申込み件数など利用者の行動をもとにするものもあれば、保険料や保障内容を独自基準で評価するものもあります。
「イオンのほけん相談 保険マーケット」の終身保険ランキングは、掲載商品のうちクリック数が多い順に紹介しています。多くの人が関心を寄せている商品を知る参考になりますが、順位が高い商品が必ずしも自分に合うとは限りません。ランキングの基準を確認したうえで、保障内容や保険料を比べましょう。
終身保険は何のために入る?
終身保険を比べる前に、まずは加入目的を整理しておきましょう。
葬儀費用や身辺整理の費用に備えたいのか、家族へまとまった資金を残したいのかによって、必要な保障額は変わるためです。
相続対策として活用されることもありますが、税金の扱いは被保険者・保険料負担者・受取り人の組み合わせによって異なります。
そのため、相続を目的とする場合は、必要な保障額や受取り人なども確認しておきましょう。
目的が明確になれば、比較の際に重視すべきポイントも絞り込みやすくなります。
終身保険のタイプの違いを確認する
終身保険には複数のタイプがあり、それぞれ仕組みやリスクが異なります。比較を始める前に、まずは違いを押さえておきましょう。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 定額(円建て)終身保険 | 契約時に定めた保険金額が保障される |
| 低解約返戻金型 | 一定期間の解約返戻金を抑える代わりに保険料を抑えやすい |
| 変額終身保険 | 運用実績に応じて解約返戻金が増減する |
| 外貨建て終身保険 | 外貨で保険料を払い込み、受取り額は為替の影響を受ける |
特に、変額終身保険は運用実績によって保険金や解約返戻金が変動し、外貨建て終身保険は為替相場の影響を受けます。
タイプごとに特徴やリスクが異なるため、保険料や返戻率だけで比較することはできません。まずは自分がどのタイプを検討したいのかを整理しておきましょう。
比較ポイント①保障内容・特約・加入条件
商品タイプを絞ったら、保障内容や加入条件を見比べていきましょう。終身保険は一生涯の死亡保障が基本ですが、保険金額や特約、申込み条件には商品ごとの差があります。
必要な死亡保険金額を考える
死亡保険金額は、大きければよいというものではありません。終身保険に加入する目的を整理し、その目的に必要な金額を考えることが出発点です。
たとえば、遺族の生活費に備える場合は家族構成や収入などによって必要額が変わります。葬儀費用や身辺整理が目的であれば、その費用をまかなえる金額が一つの目安です。
商品ごとに設定できる保険金額は異なるため、ランキングの順位ではなく、自分に必要な保障額を確保できるかで比較しましょう。
必要な特約を見極める
死亡保険金額が同じでも、付加できる特約は商品によって異なります。たとえば、余命が一定期間以内と判断された場合に、死亡保険金の全部または一部を生前に受取れるリビング・ニーズ特約などがあります。
ただし、特約は多ければよいというものではありません。特約によっては追加の保険料がかかるほか、医療保険などで同様の保障をすでに準備している場合もあります。
特約の名称だけで判断せず、どのような場合に保障されるのか、保障期間や追加保険料はどうかを確認したうえで選びましょう。
年齢や健康状態によっては加入できないこともある
終身保険は、年齢や健康状態によって加入条件が異なります。商品ごとに申込み可能年齢が定められており、健康状態や職業によっては加入できないこともあります。
申込み時には、健康状態や傷病歴などの告知が必要です。
事実と異なる告知をすると、告知義務違反として契約が解除され、保険金が支払われないことがあります。
候補を絞る段階では、保険料や保障内容だけでなく、申込み年齢や告知内容などの基本条件の確認もします。
健康状態に不安がある場合は、告知項目が少ない引受基準緩和型保険も選択肢の一つです。
比較ポイント②保険料と払込期間
保障内容が希望に合うことを確認したら、次は保険料を比較します。終身保険は、毎月の保険料だけでなく、払込期間によって家計への影響が変わります。目先の安さだけでなく、将来の負担も踏まえて考えましょう。
月払保険料は「無理なく続けられるか」で考える
月払保険料は、毎月の家計への負担を確認するための項目です。希望する保障を確保できても、負担が重すぎると継続が難しくなります。
現在の収支だけでなく、住宅費や教育費、老後資金など今後見込まれる支出も考慮しましょう。収入や家族構成が変わっても無理なく払い続けられるかという視点で考えると、自分に合った金額が見えてきます。
なお、商品同士を比較するときは、死亡保険金額や払込期間などの条件をそろえることがポイントです。
払込期間によって保険料の負担が変わる
終身保険は保障が一生涯続きますが、保険料の払込期間は選択できる場合があります。主な払込期間は次のとおりです。
| 払込期間 | 毎月の保険料 | 払い終わる時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 終身払 | 抑えやすい | 一生涯 | 毎月の負担を抑えやすい |
| 有期払 | 高くなりやすい | 60歳・65歳など | 現役時代のうちに払い終えやすい |
終身払いは毎月の保険料を抑えやすく、有期払いは一定年齢で払い終えられます。退職後も支払いを続けるのか、現役のうちに払い終えたいのかを踏まえて選びましょう。
払込総額は「保険料×払込回数」で考える
払込総額は、1回あたりの保険料と払込回数をもとに確認しましょう。
たとえ月払保険料が安くても、払込期間が長ければ総支払額は大きくなってしまうためです。
終身保険を比較するときは、毎月の保険料だけでなく、払込期間もあわせて見ておきましょう。
毎月の負担を抑えたいのか、早めに払い終えたいのかによって選ぶべき商品は変わります。保険料の安さだけでなく、総支払額とのバランスが重要です。
比較ポイント③解約返戻金
終身保険を比較するときは、解約返戻金も確認したいポイントです。ただし、払った保険料がそのまま戻る仕組みではなく、契約内容や解約時期によって受取り額は変わります。
金額だけでなく、どのような条件で増減するのかも見ておきましょう。
解約返戻金は早期解約だと少なくなることがある
解約返戻金がある終身保険でも、解約時に払込保険料と同額以上を受取れるとは限りません。特に契約後まもない時期は、解約返戻金が払込保険料の累計額を大きく下回ることがあります。
受取り額は契約年齢や保険金額、払込期間などによって異なります。ランキングや商品紹介に掲載されている金額例は、必ずしも自分の条件に当てはまるものではありません。解約返戻金を重視する場合は、設計書や試算表を利用するとよいでしょう。
低解約返戻金型は途中解約時の返戻金に注意
低解約返戻金型は、払込期間中など一定期間の解約返戻金を抑える代わりに、保険料を低くした商品です。保険料を抑えながら一生涯の保障を確保したい場合の選択肢ですが、途中解約には注意が必要です。
返戻金を抑える期間中に解約すると、受取り額が払込保険料の累計額を大きく下回ることがあります。返戻率や解約返戻金の推移は商品によって異なるため、名称だけでなく具体的な条件まで比較します。
返戻率は「同じ条件」で比べる
返戻率は、払込保険料の累計額に対して解約返戻金がどの程度あるかを示す目安です。同じ商品でも、契約からの経過年数によって数値は変わります。
返戻率を比較するときは、経過年数や払込条件をそろえることが基本です。条件が異なるままでは、数値だけを比べても商品の違いは判断できません。
なお、変額終身保険や外貨建て終身保険は、運用実績や為替の影響で受取り額が変動します。定額の円建て終身保険とは仕組みが異なるため、返戻率だけで単純に比較することはできません。
ランキングの正しい使い方
比較の軸が定まったら、ランキングで候補を絞り込みます。ランキングは商品選びの入口に過ぎません。自分の目的や予算に合う商品があるかを確認しながら活用しましょう。
ステップ1 条件をそろえて比べる
複数の終身保険を比べるときは、年齢・性別・死亡保険金額・払込期間などの条件をできるだけそろえます。前提条件が異なると、保険料や返戻率の差が商品によるものか判断できません。
解約返戻金を比べる場合も、契約年齢や経過年数を統一することが基本です。ランキングページで保険料試算ができる場合は、自分の条件で試算すると、商品の違いを把握できます。
ステップ2 外せない条件から優先順位をつける
条件をそろえたら、自分にとって外せない項目から候補を絞ります。すべての条件で優れた商品を探すより、加入目的や予算を踏まえ、優先順位を決めて選びましょう。
たとえば、一生涯の死亡保障を重視するなら、解約返戻金の高さを最優先にする必要はありません。一方、将来の解約や資金活用も考えるなら、解約返戻金は重要な比較ポイントです。
ランキングは、人気の傾向や選択肢を把握するための参考情報です。最後は加入目的に立ち返り、自分に合う商品かどうかを判断しましょう。
ステップ3 契約前に公式資料を確認する
候補が決まったら、ランキングや比較表だけで判断せず、契約概要や注意喚起情報、ご契約のしおり、約款といった公式資料にも目を通します。比較ページでは、保険金が支払われない場合や解約時の取扱いなど、細かな条件まではわかりません。
告知事項や保障開始時期、解約返戻金の取扱いなど、自分の契約に関わる内容は事前に確認しておきましょう。変額終身保険や外貨建て終身保険を検討する場合は、運用実績や為替変動の影響、諸費用にも注意が必要です。
不明な点があれば、保険会社や保険相談窓口へ問い合わせてから手続きを進めると安心です。
まとめ
終身保険ランキングは、候補を探す際に役立つ情報です。ただし、順位の高さだけで自分に合う保険を判断することはできません。
まずは加入目的を明確にし、必要な死亡保障や商品タイプを整理します。そのうえで、保障内容、保険料、払込期間、解約返戻金などを比較しましょう。特に保険料や返戻率は、契約条件や経過年数をそろえて見比べることが大切です。
ランキングで候補を絞ったら、最後は契約概要や約款で細かな条件まで確認します。
商品によって条件や仕組みが異なるため、資料を読んでも判断が難しい場合は、FPや保険相談窓口に相談しながら、自分の目的に合った終身保険を選びましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 終身保険と定期保険、どちらを選ぶべきですか?
A. 一生涯の保障が必要なら終身保険、一定期間だけ大きな保障が必要なら定期保険が向いています。保障が必要な期間を基準に選ぶと判断しやすくなります。詳しくはFPや保険相談窓口にご相談ください。
Q2. 終身保険は貯蓄の代わりになりますか?
A. 解約返戻金があるため一定の貯蓄性はありますが、預貯金とは異なります。契約後まもない時期に解約すると、払込保険料の累計額を下回ることがあります。終身保険は貯蓄そのものではなく、死亡保障を確保しながら将来の資金準備にも活用できる保険と考えましょう。詳しくはFPや保険相談窓口にご相談ください。
Q3. 変額終身保険や外貨建て終身保険は避けたほうがよいですか?
A. 一概に避けるべきとは言えません。変額終身保険は運用実績によって保険金や解約返戻金が変動し、外貨建て終身保険は為替の影響を受けます。円建て終身保険とはリスクや仕組みが異なるため、返戻率だけで比較せず、特徴を理解したうえで検討しましょう。詳しくは保険会社や保険相談窓口にご相談ください。
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- 参考 :
-
- 金融庁:保険を契約している方へ
- 金融庁:保険契約にあたっての手引
- 国民生活センター:公式サイト
- 公益財団法人 生命保険文化センター: 公式サイト
- 公益財団法人 生命保険文化センター:生命保険の基礎知識
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