【FP監修】子どもが入院!付き添いにかかる費用はどのくらい?
- 子 供
子どもが大きなけがや病気で体調を崩し、入院すると親は心配ですよね。そんなとき「付き添い入院」を利用すると、親も一緒に病室で過ごすことができます。
ただし、付き添い入院は子どもの近くで病状を見守れる反面、付き添う家族は仕事を休むことになり、収入が減る懸念もあります。
付き添い入院にかかる費用や流れについて、解説します。
子どもの付き添い入院とは
病気やけがで子どもが入院したときに、親も同じ病室に寝泊まりし子どもをケアすることを付き添い入院といいます。
対応は病院によって異なり、一般的に家族が希望した場合、もしくは病状によって付き添いが必要だと医師が判断した場合に付き添い入院をします。
すべての病院で付き添い入院を実施しているわけではなく、子どもが入院する場合は付き添いを必須としている病院もあれば、感染症対策として乳幼児の入院であっても付き添いを実施していない病院もあります。
付き添い入院中は、子どもと一緒に過ごすほか、状況に応じて子どものケアも付き添う家族が行います。ケアの内容は、おむつ交換などの排せつケアや入浴、服薬、食事介助などです。
子どもが入院すると、どのくらいの費用がかかる?
病気やけがで子どもが入院する場合、大きく2種類の費用が発生します。ひとつは子どもの入院費用、もうひとつは親が付き添うことで発生する諸費用です。それぞれの費用について解説します。
1.子どもの入院費用
子どもの入院費用は公的保険が適用され、自己負担割合は0歳から小学校入学前が2割、小学校入学後が3割となっています。 入院中の食事代は保険適用外となり自己負担となりますが、それ以外の医療費については、乳幼児医療費助成制度など各自治体の助成によって、自己負担額はかなり少なくなります。
実際に、筆者の子どもが入院したときの例をみてみましょう。
1歳のときに肺炎で大学病院に8日間入院し、一時はICUにも入りました。
明細項目 | 金額 |
診断郡分類(DPC)※1 | 273,770円 |
入院料等 | 329,590円 |
医学管理料等 | 8,650円 |
投薬料・院外処方箋料 | 1,200円 |
画像診断料 | 1,350円 |
入院料合計 【A】 | 614,560円 |
食事療養費 【B】 | 6,900円 |
自己負担額 【B】のみ | 6,900円 |
※1 DPCとは分類毎に1日当たりの入院費用を定めた医療費の計算方式
診療費請求書には上記の項目が書かれていましたが、【A】の入院料については自己負担がなく、実際に支払ったのは【B】の食事療養費6,900円のみでした。さらに、筆者の住む自治体では食事代についても助成しており、後日申請をすることで払い戻しがありました。
このように、入院期間や治療内容にもよりますが、子どもの入院費そのものについては、公的保険や自治体の助成によって自己負担額がかなり減ることが分かります。
もちろん、継続的な治療が必要で長期にわたり入院する場合は、この限りではありません。この例は短期入院のひとつの目安としてご参考ください。
2.親が付き添うことで発生する諸費用
子どもが入院し、親が付き添う場合、付き添うことで発生する費用については公的保険が適用されず、原則すべて自己負担となります。どのような費用が発生するのか、代表的な例をみていきましょう。
個室利用代(差額ベッド代)
大部屋以外の部屋を希望した際にかかってくる部屋代のことをいいます。
子どもの年齢が低く夜泣きをするなどの理由で周りに気を遣う場合や、親の寝る場所を確保するために個室を希望するケースが多いようです。
部屋のタイプや病院によって価格は大きく異なり、厚生労働省の統計によると個室利用料の全国平均は1日当たり8,322円とされています。
単純計算ですが、個室を希望し7日間入院した場合、部屋代だけでも約58,000円(8,322円×7日間)かかることになります。
付き添い用の簡易ベッド代
付き添い家族が寝るためのベッドをレンタルした場合にかかる費用です。病院の部屋の構造により異なりますが、大半は親の寝る場所が無く、ベッドをレンタルしない場合は子ども用の小さなベッドに添い寝する形になります。
地域や病院により価格は異なりますが、平均的には1日あたり数百円~1,000円程度 かかるようです。
病室に予めソファベッドなどが備え付けられている場合、掛け布団などの寝具代のみが発生するケースもあります。
中には、簡易ベッドでは寝心地が悪いため、病室への持ち込みが可能な場合、自前のキャンプベッドを持ち込み、付き添い時の就寝環境を工夫されている方もいるようです。
付き添い入院をする人の食事代
基本的に付き添い者の食事はでません。付き添い者用に病院食を出している病院もありますが、無い場合が多く、その場合は病院の売店やコンビニで調達することになります。
自宅との往復交通費代
付き添い中は両親のうちどちらか一方、もしくは父と母が都度交代して付き添うことになります。洗濯物の交換や必要備品を届けるのにおそらく毎日病院に通うことになるでしょう。自宅から病院まで自転車や徒歩圏内で通えればいいですが、車や公共交通機関を使う場合はガソリン代や交通費が発生します。
(きょうだいがいる場合)きょうだいの一時預かり代
きょうだいがいて周りに親戚や友人など頼れる人がいない場合、必要に応じてベビーシッターなどの一時預かりサービスを利用すこともあるでしょう。行政が取り組む子育て支援「ファミリー・サポート」は、地域で子どもの送迎や預かりを相互援助する仕組みです。自治体や利用する曜日、時間帯によって価格は異なりますが、東京都で平日に利用する場合は1時間あたり800~1,000円程度かかります。
付き添い入院の費用に保険は適用される?
付き添い入院には意外と費用がかかることがわかりました。医療保険が適用になるか気になりますよね。結論から言うと、子ども名義で医療保険に入っていれば適用されます。しかし、親名義で加入していても適用はされません。
家族が付き添い入院をした場合にかかる費用のほとんどは、基本的に医療費控除も対象外となります。 入院期間によっては自己負担額が増え、付き添いのために仕事を休む場合は、収入が減る懸念もあります。心配な場合は子ども名義で医療保険の加入を検討するのもひとつです。
付き添い入院の流れと必要なもの
付き添い入院の流れ
子どもが入院することになったら、まず付き添いが可能な病院かどうか確認しましょう。
基本的に、子どもの入院先の病院が付き添い入院を認めている場合に限り、家族が希望する、もしくは病院側の要請があると付き添うことができます。
付き添い入院をすることになった場合、必要書類に記入をし、病棟に入るのに必要な感染症などの検査を済ませ、問題がなければ子どもと一緒に病室に入る、という流れになります。
入院時に必要なもの
子どもが入院した時や付き添い入院時に必要になる、代表的な持ち物を紹介します。
子どもの持ち物の例
- ・診察券、健康保険証(もしくはマイナンバーカード)、医療証
- ・母子手帳
- ・(乳幼児の場合)オムツ、お尻拭き
- ・着替え 4~5セット
- ・食事用エプロン、食器
- ・歯ブラシセット
- ・(洗濯できる場合)洗濯用洗剤、柔軟剤
- ・(持ち込める場合)オモチャ、DVDなど
- ・フェイスタオルやバスタオル 2~3枚
付き添い入院に必要な大人の持ち物の例
- ・現金またはクレジットカード
- ・付き添い者の身分証明書や健康保険証(もしくはマイナンバーカード)
- ・ティッシュ
- ・マスク
- ・フェイスタオル 数枚
- ・歯ブラシセット
- ・基礎化粧品やヘアケアセット
- ・携帯電話やタブレットの充電器
- ・着替え 3~4セット
- ・スリッパ
- ・紙コップ、割りばしなどの使い捨てできる食器類
なお、こちらで紹介しているものは一例となります。病院によっては子ども用の病衣やタオルを貸し出している場合もありますので、ひとつの参考例としてお考えください。
子どもと親の負担を考えて、付き添い入院の対応を検討しよう
子どもが入院し、家族が付き添った場合にかかる費用を解説しました。
付き添い入院は、子どもの近くに居られる反面、仕事を休む・家事の時間が少なくなるなど、想像以上に親に負担がかかります。
入院が長期になると、子どもの病状に対する精神的な不安に加えて、金銭的な負担も大きくなるでしょう。
一方で、付き添い時に親にかかる負担は周囲の環境や勤務先の制度によっても変わってきます。
例えば、近くに祖父母や親戚が住んでいれば、きょうだいがいる場合でも預けることができますし、勤務先に看護休暇などの制度があれば、子どもの付き添い入院で仕事を休んでも一定の収入は保障されます。
そのような環境があれば、付き添いをしても親にかかる負担は多少なりとも軽減されるでしょう。
もし環境面や金銭面で不安に感じる場合は、子どもの医療保険加入を選択肢のひとつに加えてみてもいいかもしれません。
万が一子どもが入院したときに備えて、親と子どもにかかる負担を考慮しどのような対応をとるのがいいのか、ご家庭で検討されてみてはいかがでしょうか。
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