【FP監修】<新型コロナウイルス感染症>保険適用はどうなる?生命保険等での取扱いは?
-
- 心配事
2019年末に中国で確認されて以来、世界規模で広まっている新型コロナウイルス感染症。日本で感染が確認されてから3年以上が経ちました。
2023年5月8日より新型コロナウイルス感染症の感染法上の扱いが「新型インフルエンザ等感染症」から「5類感染症」に移行され、制度や生活面などさまざまな面で変化がありました。
今回は、新型コロナウイルス感染症に関して「公的医療保険の適用」、「民間の生命保険等での取扱い」について5類感染症への移行もふまえてお伝えしていきます(2023年5月現在)。
新型コロナウイルス感染症に関して公的医療保険は適用される?
新型コロナウイルス感染症にかかる医療費は大きく分けて「PCR検査等にかかる費用」と「治療・入院等でかかる費用」の2つに分かれます。
新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる費用
新型コロナウイルス感染症の「PCR検査等にかかる費用」は、公的医療保険の適用対象となる場合とならない場合の2パターンあります。
公的医療保険の適用対象となる場合から説明します。
PCR検査費用は2022年7月1日から7,000円程度となりました。
「5類感染症」への移行以前は自己負担の部分も公費負担となっていましたが、5類感染症に移行したことにより1~3割の自己負担額が発生します。
ただし、公的医療保険の適用対象となるPCR検査は、医師が必要だと判断した場合のみとなることを覚えておきましょう。
そのため保険適用となる可能性があるのは、発熱や咳などの風邪症状がある方や感染者と濃厚接触した方です。
一方、保険適用対象とならないPCR検査は、全額自己負担で受けるものがあります。
海外へ渡航する際の陰性証明書が必要となる場合は、検査機関にて自費で検査を受けられます。
自由診療となるため、検査機関によって費用が異なりますが、1~3万円程度が多いようです。また陰性証明(診断書)を発行する場合、追加で2,000~5,000円ほど費用が発生する可能性があります。
無症状や感染の不安がある住民に向けて、自治体によってはPCR検査を無料で行っていましたが、こちらも5類感染症移行に伴い5月7日で終了となっています。
後遺症がある場合、公的医療保険は適用される?
新型コロナウイルス感染症に罹患した後、療養期間を終えても倦怠感・咳・頭痛・抑うつ・味覚障害・脱毛などの症状が続いたり、新たに出現してしまう「後遺症」に悩まされる方がいることがわかってきています。
時間経過とともに改善することが多いとされていますが、症状が続く場合には他の病気の可能性もありますので、かかりつけ医など医療機関へ受診しましょう。
新型コロナウイルス感染症の後遺症の場合でも、公的医療保険が適用されるため1~3割負担での受診が可能です。
また、自治体によっては、相談窓口を設置している場合や相談できる医療機関のリストをホームページで公開している場合がありますので、一度確認してみましょう。
新型コロナウイルス感染症の治療・入院等でかかる費用
病気の治療や入院にかかる医療費のうち、公的医療保険が適用されるものに関しては、原則3割(現役世代の場合)の自己負担となりますが、新型コロナウイルス感染症の場合は公費負担となり自己負担はありませんでした。
こちらも5類感染症に移行したことにより公費での負担がなくなり、新型コロナウイルス感染症でも同じく自己負担が発生します。
しかし、急激に負担が増えることを避けるため、新型コロナ治療薬の費用全額と入院医療費のうち高額療養費の自己負担限度額から2万円(2万円未満の場合はその額)の公費支援を2023年9月末まで継続することとなっています。(10月以降の取扱いは検討予定)
また、保険適用外の費用(差額ベット代、食事代など)も自己負担となります。
新型コロナウイルス感染症の民間保険での取扱いは?
新型コロナウイルスに関して、公的医療保険の適用となることがわかりましたが、民間の生命保険等ではどのような取扱いになっているのでしょうか?
※実際の支払い条件などは、各保険会社・ご契約内容により異なります。
新型コロナウイルス感染症でかかる入院費や手術費は医療保険の対象となる?
新型コロナウイルス感染症による入院は、病気の治療のため、入院給付金の支給対象となります。
また、新型コロナウイルス感染症による入院が必要にもかかわらず、医療機関の事情で臨時施設や宿泊施設および自宅等にて、医師等の管理下で療養されている場合には、「みなし入院」として医師等が証明した期間については入院給付金の支払い対象とする対応をとっている保険会社がありました。
※実際の支払い条件などは、各保険会社・ご契約内容により異なります。
しかし、2022年9月26日より「みなし入院」への対応が大きく変わり、新型コロナウイルスの感染者に支払う保険金の対象が重症化の恐れが高い感染者に限られています。
入院を必要とする場合のほか、65歳以上の場合、新型コロナウイルス感染症治療薬を投与する必要がある場合、妊娠している場合、のいずれかに当たらなければ新型コロナウイルス感染症による入院給付金が受取れなくなっています。
では、5類感染症に移行したことによる変化はあったのでしょうか。
民間の生命保険では「みなし入院」は対象外?
5類感染症への移行に伴い、2023年5月8日以降は新型コロナウイルスの感染者が自宅で療養する「みなし入院」でも入院給付金を支払う特例を廃止すると発表した保険会社があります。
ご自身が加入している保険会社ではどのような対応となっているのか、一度確認してみましょう。
新型コロナウイルス感染症が原因で死亡した場合、死亡保険金は給付される?
新型コロナウイルス感染症が原因で死亡してしまった場合、病気が原因の死亡となり、死亡保険金の支給対象となります。
また、保険会社によっては「災害死亡保険金」に該当する場合や「特別条件を適用しない」といった措置を取るといった場合があります。
就業不能保険は治療で長期間働けない時に給付
病気やケガが原因で働けなくなり、治療のために入院をしたり医師から自宅での療養を指示されたりした場合、民間の保険で「就業不能保険」に加入していると保険金が給付されます。
では、新型コロナウイルス感染症に感染し入院等の処置を受けた場合、就業不能保険は適用されるのでしょうか?
就業不能保険には保険会社によって違いはありますが、14日間・60日間・180日間などの「支払い対象外期間」というものが存在します。
働けなくなったとしても、支払い対象外期間の間は保険金が給付されません。
新型コロナウイルス感染症は、症状にもよりますが、それほど治療期間が長いものではありません。短期就業不能保険の対象になる場合もありますが、就業不能保険の保険金が給付されるというケースは少ないことが予想されます。
ご自身が加入している就業不能保険に関して、その給付条件等を事前にしっかりと確認しておきましょう。
新型コロナウイルス感染症に際してご自身の保険の確認を!
新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況は日々変化しており、今後の感染状況によっては公的な補助制度の変更等や民間の保険の保障内容の変更なども考えられます。
万が一、新型コロナウイルス感染症に感染してしまった場合は、お住まいの自治体やご自身が加入している民間の保険会社に問い合わせて、どのような保障があるのか確認してみましょう。
また、すぐに問い合わせができないという状況も想定されます。
事前に、現時点での新型コロナウイルス感染症の保障について、お住まいの自治体やご自身が加入している保険会社に問い合わせをしておくと良いかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる場合には、医療機関に行く前に症状や常備薬をチェックし、国が承認したキットを用いた検査が勧められています。
また、かかりつけ医など医療機関へ受診する際は事前に連絡をして医療機関の指示に従って受診しましょう。
かかりつけ医がいない場合や相談する医療機関に迷う場合は、相談窓口へ相談しましょう。
全国の受診相談センターの一覧(都道府県により相談センターの名前が異なります)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
医療保険をご検討される場合は
まずは「イオンのほけん相談」の店舗までお越しください。
※本記事は2022年4月3日時点での情報をもとに執筆しています。内容が必ずしも最新のものでない場合がございます。また、公的・民間の保険適用に関しては個別の状況によって取扱いが異なる場合がございますので、最寄りの自治体やご自身が加入している民間の保険会社の窓口等でご確認ください。
- 参考 :
SNSシェアしよう!