日本人の死因の半分!三大疾病とは

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三大疾病は日本人の死因の半数以上を占めている病気です。

その中に含まれるがんは不治の病ともいわれていましたが、医療技術の進歩によって適切な治療を受ければ助かる可能性も高くなりました。

ただ、食生活の欧米化やストレス、高齢化の進行などによって、三大疾病になるリスクはますます高まっています。

決して人ごとではない三大疾病について、どのような病気であり、どのように備えたらよいのかについて解説します。

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三大疾病とは

三大疾病とは、日本人の死因の上位を占める、がん心疾患脳血管疾患のことをいいます。

がん

がんは正常な細胞ががん細胞へ変異して、体からの命令を無視して増殖し続けることによって周囲の組織を破壊し、臓器の機能不全などを引き起こす病気のことです。

このがん細胞は正常な細胞から栄養を奪い取っていくため、体が衰弱していきます。

がんになると急激に体重が落ちることが多いのはこのためです。

また、もとは正常な細胞が変異して発生するがん細胞は、全身が細胞でできている人間であればどこでも発生する可能性があります。

そして発生した場所から周囲に広がっていき(浸潤)、全身に転移しながら進行していきます。

がんが発生するメカニズムとしては、人間の細胞の中に存在する遺伝子に、外部からの刺激環境要因が加わることで発生すると考えられています。

タバコや食品添加物、排ガスなどに含まれる発がん物質やC型肝炎ウィルスやピロリ菌などのウィルス・細菌、放射線・紫外線などが、その引き金になるといわれています。

がんは発生する場所によって分類され、以下のようなものがあります。

  1. 造血器にできるもの

    骨髄などの造血器にがんが発生するもので、血液のがんともいわれる「白血病」や悪性リンパ腫骨髄腫などがあります。

  2. 上皮組織にできるもの

    体や臓器の表面を覆っている組織にがんが発生するもので、肺がん乳がん胃がんなどがあります。

    漢字で書く「癌」は、正確にはここに分類されるがんのことをいいます。

  3. 非上皮細胞からなるもの

    骨など非上皮細胞にがんが発生するもので、一般的に「肉腫」と呼ばれます。

    骨肉腫脂肪肉腫などがあります。

  4. 上皮内新生物

    臓器の粘膜など上皮組織の最も表面に近い部分にがん細胞が発生したもので、この段階で切除すれば治るものです。

    ごく初期の胃がん大腸がん子宮頸部の異形成などがあります。

    三大疾病において「がん」という場合には、上皮内新生物を含まない1〜3までの悪性腫瘍(悪性新生物)を指す場合もあります。

心疾患

(虚血性)心疾患は、心臓を動かすために必要な血液を供給するため心臓を取り巻いている血管(冠状動脈)が、動脈硬化などが原因で詰まってしまい、血流が滞ったり、途絶えたりしてしまうことで発生します。

(虚血性)心疾患には「狭心症」と「心筋梗塞」の2つがあります。

  1. 狭心症

    狭心症は、冠状動脈の血流が減少することで起こり、心臓の筋肉に十分な酸素が供給されず酸欠状態となることで胸に痛みや圧迫感を生じさせます。

    症状は通常数分から15分程度で収まります。

  2. 心筋梗塞

    心筋梗塞は、冠状動脈が完全に詰まってしまい、血液が流れなくなった部分の心臓の筋肉が壊死してしまうものです。

    壊死してしまった心筋は元には戻らないため、胸を締め付けるような強い痛みが30分以上続いたり、心停止によって死に至ったりする可能性が高い病気です。

脳血管疾患

脳血管疾患とは、脳の血管に問題が生じて脳にダメージを受ける病気の総称です。

主なものとして「脳内出血」「くも膜下出血」「脳梗塞」があり、この3つをまとめて「脳卒中」と呼びます。

  1. 脳内出血

    脳内出血は脳内(大脳・小脳・脳幹)にある血管が破れて出血することで起こります。

    血液が脳を圧迫するため、意識障害や麻痺、感覚障害などが現れます。

  2. くも膜下出血

    くも膜下出血は脳を覆っているくも膜の内側で出血することで起こります。

    くも膜下で出血が起きると、頭蓋内の圧力が急激に上昇して脳が圧迫されることによって、呼吸や循環が停止し、死に直結することもあります。

  3. 脳梗塞

    脳梗塞は脳の血管が詰まり、その先に血液が流れなくなって起こります。

    血液が流れなくなることで、酸素や栄養素が行き渡らず脳細胞が壊死してしまいます。

    意識を失いそのまま死に至ることもあり、助かった場合にも、言語障害や身体の麻痺など後遺症をもたらす可能性が高い病気です。

【最新版】日本人の死因の順位

厚生労働省では、人口動態統計」で毎年日本人の死亡数を死因別に順位付けしています。

この統計を見ていくと、自分にとってどのような病気のリスクがどの程度存在するのかの判断材料になります。

一方では長寿化や医療の進歩など私たちを取巻く社会環境によって、そのリスクは常に変化しています。

自身の病気に対するリスクを正しく把握し備えるためには、現在多い死因やその特徴を把握しておくことは非常に有効です。

では、実際に日本人の死因はどのようになっているのでしょうか。

過去からの推移とともに見ていきましょう。

日本人の死因順位
年度 1位 2位 3位 4位 5位
2018 悪性新生物 心疾患 老衰 脳血管疾患 肺炎
2017 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患 老衰 肺炎
2016 悪性新生物 心疾患 肺炎 脳血管疾患 老衰

日本の死因の上位は、がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患、肺炎、老衰が占めていることがわかります。

三大疾病に関しては国民病とも呼ばれ、2010年ごろまでは長らく死因のトップ3を占めていました。

しかし近年では、肺炎や老衰などの死亡率が高まっている傾向が見られ、順位も変動してきています。

高齢になると肺炎にかかりやすく、重症化しやすいといわれており、高齢化が進んだことによって老衰とともに死亡率が高まっていると考えられています。

2009年に初めて死因の第5位となった老衰は、2018年の統計では死因の第三位にまで死亡率が伸びています。

近年まで死因第三位であった肺炎や脳血管疾患を抑えて老衰の死亡率が伸びていることは、医療水準がさらに上がっていることを示しているという見方ができます。

一方で、日本呼吸器学会によって2017年4月に発表された「成人肺炎診療ガイドライン2017」で、高齢者の肺炎が増える中、誤嚥性肺炎を繰り返す患者、疾患終末期や老衰状態の患者に対して、「個人の意思やクオリティーオブライフ(生活の質)を考慮した治療・ケア」を優先し、患者背景を考慮した上で積極的な治療を行わないことを推奨した影響もあるといわれています。

病気だけでなく、高齢化に伴うクオリティーオブライフ(生活の質)という面も考えると、ますます経済的な保障や備えが重要になってくるのかもしれません。

どのくらいの人が三大疾病になっているのか

三大疾病の患者数は350万人以上

では、実際にどのくらいの人が三大疾病になっているのでしょうか。

厚生労働省・患者調査(平成29年10月時点)によると、三大疾病の患者数は以下のようになっています。

三大疾病の患者数
疾病名 総患者数
がん(悪性新生物) 約1,782,000人
心疾患(虚血性) 約1,732,000人
脳血管疾患(脳卒中) 約1,115,000人

平成29年(2017年)10月現在の三大疾病の総患者数は約462万人、日本の人口は約1億2,464万人(平成29年10月現在・総務省統計局人口推計)なので、人口の約3.7%、27人に1人が三大疾病の治療を受けています。

三大疾病は死因の50%以上

医療技術の進歩によって、三大疾病になったとしても助かる確率は高くなったとはいえ、命に関わる病気であることには変わりありません。

厚生労働省・人口動態統計(平成29年)によると、三大疾病が原因の死亡者数と死亡者に占める割合は以下のようになっています。

三大疾病の死亡数と死亡割合
疾病名 死亡数 死亡割合
がん(悪性新生物) 373,334人 27.9%
心疾患 204,837人 15.3%
脳血管疾患 109,880人 8.2%

平成28年(2016年)には日本全体では約130万人の方が亡くなっており、その半数以上である約68万人(52%)が三大疾病を原因として亡くなっています。

三大疾病の治療にはどのくらいの費用がかかるのか

このように多くの命を奪っている三大疾病であっても、医療技術の進歩によって適切な治療を行えば完治できるケースも増えてきています。

ただ治療を受けるには当然お金が必要です。

では三大疾病になってしまった場合には、どのくらいの医療費がかかるのでしょうか。

全日本病院協会の調査(2018年1〜3月)による主な三大疾病の医療費の平均は以下のようになっています。

三大疾病の平均医療費
三大疾病名 疾病名 平均医療費
がん(悪性新生物) 胃がん 967,614円
結腸がん 880,416円
直腸がん 923,660円
心疾患 急性心筋梗塞 1,723,225円
脳血管疾患 脳梗塞 1,513,128円

参考:全日本病院協会「医療の質の評価・公表等推進事業医療費」を参考に執筆者作成

これらの金額はあくまで平均であり、病状やどのような治療法を選択するかによって変わりますが、三大疾病の医療費は他の病気に比べ高額になる傾向があるのは確かです。

ただ一般的な治療を行う場合であれば、高額療養費制度を利用することによって、医療費が高額になった場合でも1ヶ月あたりの自己負担額は10万円程度まで軽減されるので、この点ではそれほど心配する必要はありません。

それでも三大疾病の治療は長引くことも多く、治療や後遺症などのために以前のように働くことができなくなってしまうと収入が減少し、家計への影響は大きくなります。

また保険適用外の薬や治療を用いた場合や差額ベッド代などの費用にはこれらの制度は適用されません。

そのため三大疾病の費用について、自己努力によって備えておく必要があるといえます。

三大疾病に備える

では、どのようにして三大疾病に備えればよいのでしょうか。

理想は三大疾病にならないことです。

三大疾病は生活習慣病ともいわれ、日頃の食事やストレス、タバコや過度の飲酒などの習慣によってそのリスクが高まるといわれています。

これらの生活習慣を改善し三大疾病になるリスクを下げることが、自分でできる最初の三大疾病への備えといえます。

ただ残念ながらどんなに生活習慣に気をつけても、三大疾病を完全に予防することはできません。

次にできることは三大疾病になってしまった場合にしっかりと治療が受けられるよう、治療費や収入の減少など経済的なリスクに備えておくことです。

そこでこれらのリスクに備えられる保険をご紹介します。

医療費への備え

医療費の自己負担分や差額ベッド代など医療費への備えとしては、医療保険や特定疾病保障保険、がん保険などがあります。

  1. 医療保険

    医療保険は、病気やケガなどによる入院や手術などに対して給付金が支払われます。

    もちろん三大疾病による入院や手術に対しても給付金が支払われます。

    商品によっては三大疾病による入院を日数無制限で保障するものや、特約によって三大疾病になった場合にまとまった一時金が支払われるものなどもあり、保障を充実させることもできます。

  2. 特定疾病保障保険

    特定疾病保障保険は、通常の生命保険(死亡保険)の支払い対象範囲が拡大された保険です。

    通常の生命保険では死亡した場合や高度障害状態となった場合に保険金が支払われますが、特定疾病保障保険では三大疾病になり、所定の条件を満たした場合にも保険金が支払われます。

    がんの場合、一般的にがんと診断されれば保険金が支払われます。

    一方心疾患や脳血管疾患の場合には、60日や20日など一定の日数以上働けない状態となったり、後遺症が継続したりしているなどの条件を満たす必要があり、診断されただけでは保険金が支払われないこともあるため注意が必要です。

    この条件については、保険会社により差があるため、商品を比較する際のポイントになります。

  3. がん保険

    がん保険は、がんの保障に特化した保険です。

    がんの治療のための入院に対して給付日数無制限で保障したり、がんと診断された場合の一時金やがんの標準治療である手術・放射線・抗がん剤治療に対して給付金が支給されたりするなどの特徴があります。

    現在は三大疾病の日数無制限保障や診断一時金など、がん保険の特徴も兼ね備えた医療保険も増えてきているので、それらの保険も検討の際の比較対象となります。

退院後の生活費や収入減少への備え

治療中や退院後の生活費や収入減少に備えるものとしては、就業不能保険などがあります。

  1. 就業不能保険

    就業不能保険は、三大疾病を含む病気やケガが原因で働くことができない場合に給付金が支払われる保険です。

    この保険により、三大疾病が原因で長期にわたって入院や治療が続いたり、後遺症によって以前のように働けなくなったりした場合の経済的なリスクが保障されます。

    就業不能保険の保険金の受取り方としては、毎月一定額を年金形式で受取る方法が一般的ですが、一時金として受取る方法を選択できるものもあります。

    また給付金の支払われる期間としては1〜10年など比較的短いものから、就業不能状態が続いている限り60歳・65歳まで長期で保障が続くものまであります。

  2. 収入保障保険(保険金支払対象の広いもの)

    生命保険(死亡保険)の一種である収入保障保険の中には、就業不能保険と同じような保障機能を備えたものもあります。

    このような保険では、要介護状態や一定の身体障害状態になった場合や、特定疾病によって働けなくなった場合に保険金が支払われます。

    どのような場合に保険金が支払われるかは商品により異なるため、加入を検討する際にはその点に気をつける必要があります。

  3. 保険料払込免除特約

    通常の生命保険では、不慮の事故で180日以内に所定の障害状態になった場合には、その後の保険料払込が免除される仕組みとなっています。

    さらに「(特定疾病)保険料払込免除特約」をつけることで、三大疾病になった場合にもその後の保険料払込が免除されます。

    三大疾病になってしまうと収入の減少や医療費の負担、死亡リスクの増加など保険の必要性が高くなります。

    そんな状況の中で、保険料を払えず保険を解約せざるを得ないことになると状況をさらに悪化させてしまいます。

    保険料払込免除特約はそのようなリスクに備えるための特約です。

    ただし特約をつけることで保険料が上がるため、必要性をよく考えて特約をつけるのかを判断しましょう。

    一般的には、その保険の必要性が高いほど、終身払いなど保険料の払込期間が長いほどメリットが大きくなります。

保険の対象となる三大疾病の範囲には注意が必要

三大疾病は通常はがん・心疾患・脳血管疾患のことを指すのですが、保険において「三大疾病」という場合には注意が必要です。

というのは保険における三大疾病は、一般的には以下のように範囲が限定されていることが多いからです。

保険における三大疾病の制限

がん→悪性新生物(上皮内がんは含まない)

心疾患→急性心筋梗塞

脳血管疾患→脳卒中(くも膜下出血・脳梗塞)

このように三大疾病の定義が異なるため、診断書の病名が違うことで保障の対象から外れてしまう場合も少なからずあります。

三大疾病であっても上記の範囲から外れる場合には、比較的症状が軽くてすむケースも多く、過度に心配することはありませんが、最近では保障対象となる範囲を従来よりも拡大した商品もあります。

これらの商品では、一般的に三大疾病といわれる「がん・心疾患・脳血管疾患」をカバーする内容となっているため、保障範囲が広い方が安心だと考える方には適しているといえます。

正しい理解と備えが安心につながる

三大疾病は生活習慣の改善によってそのリスクを下げることができるともいわれますが、完全に予防することは難しく、日本人の死因の半数を占める怖い病気です。

それでも医療技術の進歩によって助かる可能性も高くなってきています。

いつなってもおかしくない三大疾病だからこそ、どのような病気であるかを正しく理解し、「当該疾病にならないための備え」と「なってしまった場合の備え」、その両方に備えることが安心につながります。

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