先進医療ってどんな医療?
- 健 康
医療保険やがん保険を検討する際、「先進医療」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
そもそも「先進医療」とはどんな医療なのでしょう?
先進医療とは?
私たちが普段受けている診療には保険診療・自由診療の2つがあります。
- 保険診療:健康保険等の公的医療保険で適用される診療。治療費は一部が自己負担となる。
- 自由診療:国内未承認の治療法や美容整形などの病気治療ではないもので健康保険が適用されない診療。
厚生労働省では、患者の負担が不当に拡大されることや、科学的根拠のない医療の実施を助長するおそれがあることを理由に、「混合診療(保険診療+自由診療)」を原則禁止としており、混合診療を受けた場合には、全ての治療が自由診療、自己負担の扱いとなります。
しかし、医療技術は日々進歩しており、インターネット等で簡単に治療方法について情報収集することが可能になり、治療に対するニーズが多様化するようになりました。そこで、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するという観点も踏まえつつ、国民の選択肢を広げ、利便性を向上するという観点から、混合診療を認めることとした治療を「先進医療」と言います。「先進医療」として認められたものについては、先進医療にかかる費用のみ自己負担とし、診察や入院費用などの基礎部分については保険が適用されるため患者の負担は軽減されました。
先進医療の費用はどれくらい?希望すれば誰でも受けれる?
先進医療と言えば、高額な費用がかかるというイメージがありますよね?実際にどれくらいの費用がかかるのかを見てみると下記の通りになります。
技術名(名) | 1件当たりの費用 | 平均入院数 | 年間実施年数 | 実施報告医療機関数 |
---|---|---|---|---|
前眼部三次元画像解析 | 約3,800円 | 0.6 | 7,788 | 70 |
多焦点眼内レンズを 用いた水晶体再建術 |
約53万円 | 1.2 | 9,877 | 401 |
陽子線治療 | 約270万円 | 13.0 | 3,012 | 10 |
- ※【出典】厚生労働省「第38回先進医療技術審査部会資料平成27年度
(平成26年7月1日~平成27年6月30日)実績報告より試算 - ※先進医療に係る技術料は実施している医療機関により異なります。
上記の表から分かるように、すべての先進医療の治療が高額ではありません。しかしながら、自己負担額が10万円を超えると家計への負担が大きいと感じるのではないでしょうか?
そこで先進医療を受けた際の費用に備えるために、月額100円前後の保険料で付帯できる「先進医療特約」という医療保険やがん保険の特約があります。(保険商品によっては基本保障に含まれている場合もあります)
この特約は支払い要件に該当した場合、契約限度額までの給付金を受け取ることが出来ます。これで高額な先進医療を受けることになったときでも費用を気にせず治療に専念することが出来ます。ただし、がん保険に付帯される特約では、がん治療に関する先進医療のみが対象となるため注意が必要です。
数百万円の費用も掛かることがある先進医療に、月々100円前後の保険料で備えることが出来るのか疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。なぜ備える事が出来るかというと、先進医療は希望すれば誰でも受けられる治療ではないからです。先進医療は厚生労働省が承認した一部の医療機関でのみ行っている治療であり、病気の症状によって受けることが出来る先進医療が決まっています。そのため利用者が限られることから保険料が安く設定されるのです。
いくら利用する機会が少ないとはいえ、先進医療を受ける可能性はゼロではありません。万が一、病気になった際に先進医療を受けたいと考えているなら、先進医療特約を付けていると安心ですね♪
ですが、既に保険に加入中の方は注意が必要です。加入中の保険に先進医療特約を中途付加出来る場合は問題ありませんが、出来ない場合には新たに保険に加入するしかありません。新規で保険加入した場合、今までより保険料が高くなってしまいます。そのデメリットも考えたうえで先進医療特約を付帯する必要があるのかをご検討ください。
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