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【FP監修】駐車場での事故、正しい対処法について解説します

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一般道路において、車は車両通行帯を一方向のみに走行するので、運転手は基本的に安全のために法定速度の範囲内で前方を注意しながら運転します。

しかし、駐車場内では車が駐車スペースを探して動いたり、人が車の乗り降りのために出入りしたりと動きが不規則になるため、事故につながる危険が高くなります。

もしも駐車場で事故にあってしまったとき、どのような対応が必要となってくるのでしょうか?

駐車場事故とは?

・車両事故における駐車場事故の実態

駐車場内での事故で最も多く起きているのが、自動車同士の接触または衝突です。

2022年に駐車場内が含まれる公道等以外の「その他の場所」で起きた事故は14,517件です。

このうち、車両同士の事故が8,831件。その次に人と車両の事故が4,600件と続きます。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat) 2022年 「交通事故の発生状況

・駐車場事故の扱い

駐車場での事故が交通事故として扱われるかどうかに関しては、駐車場が私有地とみなされるかどうかによって異なります。

基本的に道路交通法は私有地に関しては適用されないため、事故が起きたとしても交通事故という扱いにはなりません。

月極駐車場や個人所有の駐車場がこれに該当します。

しかし、駐車場にも道路交通法が適用されることがあります。

道路交通法においては公道以外にも、不特定の人が不自由なく通行できる場所であれば、私道や空き地、広場なども道路として認められます。

したがって、スーパーや薬局の駐車場といった不特定の人の通行が認められる場所は、道路とみなされ道路交通法が適用されます。

そこで起きた事故は交通事故という扱いになるのです。

交通事故として扱われるか否かとは別に、私有地・公道または道路外などの場所に関係なく、人身事故を起こした場合に加害者は自動車損害賠償保障法3条で定められた運行供用者責任を負う必要があり、また車の運転上のミスで物損を起こしてしまった場合には民法709条で定められている不法行為責任を負います。

そのため、交通事故として扱われない場合でも、加害者には法令上の責任が発生します。

駐車場事故は交通事故とは違うの?

・駐車場事故と交通事故の同じ点

先述したように、不特定の人が通行できる場所であれば駐車場事故についても、基本的には道路交通法が適用されるので、駐車場事故も交通事故における人身事故や物損事故での対応とほぼ同じ手順で対応がなされます。

・駐車場事故と交通事故の異なる点

駐車場内では、運転手が乗った車が駐車できる場所を探していたり、駐車スペースに進入または退出したりするため、車は一般道路上の時に比べてとても不規則な動きをします。

また、車を乗り降りする人が駐車場内を歩いていることもあります。

そのため、駐車場内を通行する車は他の車や人の動きを予測し、接触や衝突を避けられるような通行をする義務があります。

したがって、車同士が衝突する駐車場事故では、運転手それぞれが同じように義務を怠ったとみなされ、過失割合が50:50になることが多いです。

なお、片方の車の道路が明らかに広い場合や、一方通行を逆走していた場合などは、一方により大きな過失が認められ、50:50の過失割合から10~20%程度の修正が行われることがあります。

他にも、駐車している車に接触または衝突した場合には、接触・衝突した側の車の過失割合が100%になる場合もあるため、駐車場でも道路と同様の注意が必要です。

駐車場事故を起こしたとき、巻き込まれたときは

駐車場事故の当事者になってしまった場合には、突然のことでパニックに陥ってしまうかもしれませんが、自分やその他の人たちの安全を守りつつ、一つひとつ適切な対応を取る必要があります。

混乱している時でもきちんと冷静な対応ができるように、今ここで手順を確認しておきましょう。

事故の当事者になってしまった場合の手順

①負傷者の救護と道路上の危険の除去

②警察への連絡

③事故状況の確認

④保険会社への連絡

⑤病院で医師の診断を受ける

1.負傷者の救護と道路上の危険の除去

  1. 事故が発生したら、まずただちに車の運転をやめ、被害状況を確認しなければなりません。
  2. 負傷者がいる場合は、すぐに救護を始め、必要ならば病院に運ぶために救急車の手配などを求めなければなりません。もし自分が動けない場合には同乗者や現場に居合わせた人に助けを求め、救急車を呼んでもらいましょう。
  3. さらに事故が続発しないように、事故車両を安全な場所へ移動させたり、周りに事故の発生を知らせたりするなど、危険を除去するための措置をとりましょう。

2.警察への連絡

負傷者の救護、道路上の危険を除去するための措置が終わったら、警察へ連絡をする必要があります。

通常警察への連絡は加害者が行うものですが、加害・被害の差が明確でない場合などもあるので、余裕のある方が連絡をするようにしましょう。

3.事故状況の確認

負傷していて動けない場合などを除き、余裕があれば自分で事故状況の確認や記録をしておくと良いでしょう。

具体的には、駐車場内で事故が起きた場所や衝突時の車の位置やスピード、相手の身元、目撃者の有無などをできる限りでいいので確認し、記録しておくと後で証拠とすることができます。

また、もし相手が示談を持ちかけてきたとしても、その場では示談に応じないようにしましょう。

4.保険会社への連絡

警察への連絡も終わったら、保険会社にも連絡をしましょう。

加害者であれば被害者への賠償のために保険会社への連絡が必要なのはもちろんですが、被害者となった場合でも保険会社への報告をしましょう。

基本的には保険会社の指示に従って状況を伝えればよいですが、手順③で確認した情報に基づき、事故が起きた時の状況、自分の車、相手方、負傷者の情報などを正確に伝えるようにしましょう。

5.病院で医師の診断を受ける

各所への連絡を済ませたら、軽い怪我であっても病院へ行き、医師の診断を受けましょう。

※怪我の状況がひどく、①~④の手順が行えない場合はもちろん自身の安全を優先し、救護を待ちましょう。

駐車場での事故は管理者にも責任がある?

駐車場での事故が発生すると、事故を起こした人だけに責任が発生すると考えられますが、実際のところは駐車場の管理者についても管理者としての責任が発生することがあります。

1. 駐車場での事故における、駐車場の管理者責任

駐車場内での事故については、民法第709条(不法行為)に該当するため、原則として事故を起こした当事者間で解決することになっています。

しかし、駐車場内の設備等の安全性を確保できていない状態であり、なおかつそれが原因で事故が発生した場合については、駐車場の管理者が責任を負うことになる可能性があります。

具体的には、民法第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)で「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」と規定されています。

引用:e-Gov法令検索「民法七百一七条」

これは、駐車場に設置されている工作物(ポールなど)の管理状態が安全性を欠いている状態であることが原因で発生した事故である場合、その駐車場の占有者である管理者が被害者に対して賠償をする責任が発生するということになります。

つまり、駐車場内に設置されている物の安全性が確保できていない状態が、物損事故等の直接的な原因に起因した場合は、管理者が被害者に対して賠償責任を負うことになるということですので、「駐車場内で起きた事故等については責任を負いません」といった注意書きの看板があったとしても、一定の賠償責任が発生することがあるといえるわけです。

そのため駐車場内での事故の原因が駐車場の状態にあった場合は、当事者間だけでなく、駐車場の管理者も交えて解決するようにしましょう。

2.過失割合が100:0の場合であっても損害賠償を請求できる場合がある

事故の内容によっては、過失割合が「100:0」といったように、加害者側に一方的に過失があるとされるケースがあります。

とはいえ実際にそうなってしまうと、損害賠償金が100%請求されてしまうため加害者としては避けたい事態であるかと思われます。

そこで、加害者側の保険会社は被害者の過失があるように主張してきます。(加害者側の保険会社の損害賠償金の負担を減らすために)

そのため、被害者の過失について、どんなに小さなものでも主張してくることなども十分に考えられます。

無過失であることを証明できるように、日頃から監視カメラが設置してある駐車場を利用するなど、危機管理を徹底するようにしましょう。

まとめ

今回は駐車場での事故について、交通事故との違いや、事故が発生してしまった時に必要な対応などをご紹介しました。

事故を未然に防ぐことももちろん大切ですが、事故を起こしてしまった場合や、事故に巻き込まれてしまった場合に、適切な対応ができるかどうかも非常に重要です。

もし事故を起こしてしまった場合や、事故に巻き込まれてしまった場合でも、落ち着いて今回紹介したような手順を思い出し、冷静に対処するようにしましょう。

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