【FP監修】犬のがん保険は必要?犬のがん保険のメリット、デメリットについて解説
- 保 険その他
近年、飼育環境や医療技術の向上により犬の寿命は延びてきており、2023年の犬の平均寿命は14.6歳です。高齢化に伴い、犬ががんになる割合が増えてきました。
ペットには公的な保険制度の適用はなく、医療費はすべて飼い主の自己負担となります。この記事では、犬ががんになってしまったときにかかる治療費やがん保険に加入するメリット、デメリット、がん保険を選ぶときのポイントについて解説していきます。
犬の医療費が高額になるのはなぜ?
犬のけがや病気で医療費を支払うときに、「治療費が高い」と思ったことがある方は多いのではないでしょうか。その理由として、ペットには公的な保険制度がないことが挙げられます。ペットの治療費は全額が飼い主の負担となるため、予想以上に高額になるケースが多くみられます。
加えて、獣医師の治療は独占禁止法で自由診療と定められており、病院によって治療費が異なります。
獣医師の技術向上や最新の医療機器の導入によって治療の幅も広がり、選択肢が増えたことで、治療にかかる費用もさまざまとなっています。動物病院の選び方も大きなポイントになってきます。
犬のがんの治療費 はどれくらいかかる?
犬のがんは人間と同様、早期発見、早期治療により、治癒できる可能性があります。また、手術以外にもがんの進行を抑えたり症状を緩和するなど、さまざまな治療法があります。
実際に犬ががんになってしまった場合、治療費はどれくらいかかるのでしょうか。がんの治療には、「手術(外科療法)」「抗がん剤(化学療法)」「放射線(放射線療法)」の3種類があります。
自由診療のため動物病院によって費用は大きく変わるものですが、日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査結果(令和3年度)」によると、診療料金の中央値は以下のとおりとなっています。
●全身麻酔 11,250円
●手術(乳腺腫瘍全切除)45,000円
●放射線治療 35,000円〜200,000円
外科療法を選んだ場合、検査費用や入院、通院なども含め、1回の手術で10万円〜30万円程度の費用がかかる可能性があります。
また、抗がん剤治療だと5万円〜10万円、放射線治療だと50万円〜100万円 など、長期の治療となると数百万円になるケースもあり、がんの治療は高額になる可能性が高いといえるでしょう。
犬のがん保険のメリット、デメリット
前述のとおり、犬のがん治療には高額な医療費がかかります。突然の出費に備えるためにも、がん保険やペット保険の加入は選択肢の1つになります。そこで、がん保険やペット保険の気になるメリットやデメリットについてみてみましょう。
メリット
高額な治療費に備えられる
高額になる可能性が高いがんの治療費。経済的な理由で治療を諦めてしまうケースもあるでしょう。がん保険やペット保険に加入すれば、手術や入院などの治療費の一部または全額をカバーできます。治療費の負担を減らせることは、がん保険やペット保険に加入する大きなメリットの1つといえるでしょう。
早期発見・早期治療が可能
ペット保険加入で医療費の負担は大きく減らせます。医療費負担に対する心理的な負担が軽減することで、愛犬のちょっとした不調や異変にも対応しやすくなるでしょう。がんは早期発見・早期治療で、治癒できる可能性のある病気です。がん保険に加入していれば、医療費の心配をせず安心して治療に専念できるでしょう。
治療の選択肢が増える
希望する治療の費用が高く支払いが難しい場合、支払える範囲での治療を選択することになります。がん保険やペット保険で治療費の自己負担額を軽減できれば、その分さまざまな治療法を選択しやすくなり、希望する医療を諦めるといったケースを減らすことができます。
デメリット
犬の年齢が上がるほど保険料が上がる
もしものときの備えでがん保険に加入しておけば、医療費が高額になった場合も安心ですが、気になるのは毎月の保険料です。一般的にペットが高齢になるほど、新規加入や継続更新の保険料は高くなります。加入時の保険料のほか、先々の保険料にも注意する必要があります。
治療費全額が補償されない場合がある
がん保険やペット保険は、保険商品や補償種類によって補償割合が異なります。補償割合とは「治療にかかった費用の何%が保険金として支払われるか」を示す割合をいいます。
治療の対象となる費用が全額支払われるものもあれば、「50%」や「70%」などの補償割合が決められているものもあります。一般的に、補償割合が高くなるほど、保険料は高くなります。もしものときにどこまで自己負担額を許容できるか、支払う保険料と受取る保険金のバランスを考慮して保険を選ぶことが大切です。
保険金の支払日数・回数に制限がある場合が多い
保険金の支払限度日数や支払限度回数、1日あたりの限度金額にも注意が必要です。限度回数や限度日数を超えてしまうと、長期の治療が必要な場合に補償を受けられない可能性があるため、検討をする際にはしっかりと把握しておくおことが大切です。
犬のがん保険を選ぶときのポイント
がん保険やペット保険の加入を検討しようと思ったとき、何を基準に保険を選べばよいのでしょうか。保険を選ぶときのポイントを紹介します。
保険料
補償内容のほかに、犬種や年齢などによって保険料が変わります。また、一般的に高齢になるほど保険料も上がるため、将来にかかるあろう保険料も把握しておくとよいでしょう。
補償内容
がんや良性腫瘍、骨折などの高額治療に特化した保険商品もあれば、幅広い病気に対応するものもあります。また、通院・入院・手術を全てカバーするものや手術のみに限定しているものなど、補償内容によって保険料が変わります。それぞれの保険商品をよく確認した上で、比較検討をしましょう。
補償割合
ペット保険は一般的に補償割合が決められており、治療費の「50%」「70%」「100%」といったように、保険商品によって補償割合が異なります。補償割合が高くなるほど、保険料も上がります。
免責金額
免責金額とは、治療費の一定金額を飼い主が自己負担する金額をいいます。たとえば、免責金額が5,000円の設定の場合、治療費の総額が5,000円以下のときには保険金が請求できません。治療費が1万円の場合は、免責金額5,000円を差し引いた金額(5,000円)に、補償割合をかけた額の保険金を受取ることができます。免責金額を設定した方が保険料は抑えられます。
保険金を受取る形態
保険金を受取る際、窓口精算できる方法と、治療費を全額支払った後、保険会社に保険金を請求する方法があります。窓口精算はその場で精算が完了するため便利な反面加入した保険会社と提携している動物病院でしか利用できないなどの制約があるため注意が必要です。
まとめ
犬ががんにかかった場合の治療費やがん保険に加入する際のメリット、デメリット、がん保険を選ぶ際のポイントについて解説しました。愛犬の命や健康を守るためにも、もしものときの備えをすることは大切です。特にがんは医療費が高額になるケースが多く、がん保険の加入は選択肢の1つになります。
保険のメリット、デメリットを把握し、保険料や補償内容を比較したうえで、愛犬と家族にとって何が最適なのか、しっかりと検討しましょう。
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