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【FP監修】暑くなる季節は要注意!食中毒の原因と対処法とは?

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蒸し暑い季節になってくると、食べものが傷みやすくなりますよね。
傷んだ食べものや加熱が不十分なものを食べたときに起こるのが、食中毒です。
厚生労働省によると、2022年の食中毒発生件数は962件、患者数は6,856人(*1) で、飲食店に次いで家庭での発生が多くなっています。本記事では、食中毒の原因と対処法、家庭で実践できる予防のポイントをご紹介します。

(*1)出典:厚生労働省 食中毒統計資料 「令和4年(2022年)食中毒発生状況」

食中毒とは?

ウイルス・細菌・寄生虫などが付着した食べ物を食べることによって、下痢や腹痛、発熱、嘔吐などの症状がでる病気のことを総称して食中毒といいます。食中毒の原因はさまざまで、時には命の危険を伴うこともある、身近ながらもこわい病気のひとつです。では、どのような原因があるのでしょうか。

食中毒の原因はなに?

細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫など、さまざまな原因があります。病気の症状や食べてから症状が出るまでの期間は原因によって異なります。ここでは、代表的な5つを紹介します。

1.細菌

細菌は気温が高い環境で育ちやすく、蒸し暑い季節の6月~9月ごろに流行する傾向があります。食中毒の原因となる細菌は特別な菌というわけではなく、土や水などの自然をはじめ、人の皮膚にも存在しています。そのため、食事を調理する過程で人の手を介して菌が付着する、家庭で調理したものをあたたかい部屋に長時間放置する、といった理由で細菌が増殖していきます。
代表的な細菌には、腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)や、カンピロバクター、サルモネラ菌などがあります。これらの菌は、十分に加熱されていない肉や生野菜を食べること、細菌が含まれた井戸水や湧き水を口にすることが原因となり、症状がでます。
黄色ブドウ球菌は人の皮膚をはじめ鼻や口の中にいる菌で、体の傷や吹き出物などを触った手で食べ物を触ると菌が付きやすくなります。おにぎりやお弁当など、調理済みのものであっても、清潔ではない手で触った場合に感染することがあります。

2.ウイルス

冬に流行することが多く、代表的なウイルスはノロウイルスやE型肝炎ウイルスなどです。中でも、ノロウイルスは年間の食中毒患者の約3割を占めるほど患者数が多く 、十分に加熱されていないカキ、アサリ、シジミなどを口にした場合に下痢や腹痛、嘔吐を引き起こします。
E型肝炎ウイルスは十分に火が通っていない豚肉やレバーを食べた場合に感染し、日本での感染者は中高年が多い傾向があります 。一方で、症状が出る場合は、感染から平均6週間経過してから、皮膚が黄色くなる、だるくなる、発熱するといった症状が表れます。他のウイルスと異なり、症状が出るまでに時間を要するのが特徴的です。

3.自然毒

自然毒とは、動物や植物が生来持っている有毒成分と、食物連鎖を通じて動植物に取り込まれた毒素のことをいいます。こうした有毒成分を含む動植物を食べることで下痢や腹痛、嘔吐といった症状がでます。自然毒には、動物性自然毒と植物性自然毒があります。動物性自然毒にはフグや二枚貝、巻貝などがあり、植物性自然毒には毒キノコや有毒植物などがあります。自然毒は素人による採取や調理が原因となる場合が多く、特に毒キノコは食用キノコと誤って食べて食中毒になる事例が多く確認されているようです。

4.化学物質

有害な化学物質を含む食品を食べることで発生し、代表的なものにヒスタミンや農薬などがあります。ヒスタミンはヒスチジンという成分を含む食品(マグロやイワシなど)を常温に放置するなど、不適切な管理を行うことで生成されます。ヒスタミンによる食中毒では、口の周りや耳たぶの紅潮、頭痛、じんましんなどの症状が表れます。ヒスタミンは熱に強く、一度生成されると加熱調理や加工を行っても除去できないことから、加熱・加工前の食品の温度管理に注意が必要とされています。

5.寄生虫

代表的なものに、アニサキスやクドアなどがあります。特にアニサキスによる食中毒は年間を通して発生しており、アニサキス幼虫が付いたままの海産魚介類を生で食べる、あるいは冷凍や加熱が不十分な状態で食べると、食中毒を引き起こすことがあります。サバ、サンマ、アジ、カツオなどを生で食べて数時間~10数時間で、みぞおちの激しい腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が表れます。

食中毒にかかってしまったら、どうやって対処したらいい?

気を付けていても食中毒にかかってしまった場合は、自己判断をせず、医療機関を受診するようにしましょう。下痢が何回も続く、発熱がある、嘔吐が続く、意識がもうろうとするなど、明らかに食中毒が疑われる症状がみられる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
特に、高齢者や乳幼児は免疫が低く重症化しやすいため、どれかひとつでも症状がみられた場合は、すぐに医療機関で診てもらうようにしましょう。
また、アニサキスによる食中毒が疑われる場合は、健康な大人であってもすぐに医療機関を受診しましょう。アニサキスによる食中毒は、原因となるアニサキス幼虫を内視鏡で胃から摘出することで痛みが治まります。そのため、早めに診断を受けるようにしましょう。

食中毒は保険の適用がある?

食中毒は病気や災害の一種として扱われます。そのため、食中毒が原因で入院や通院をした場合でも、加入している保険の通院や入院に関する条件を満たしていれば、保険金は支払われます。ただし、症状が軽度の場合は適用されないこともあるので、注意が必要です。
また、食中毒の原因が自然毒や化学物質の場合、災害として判断され、傷害保険で補償されることもあります。保険に特約として付帯することで適用されることもあるため、気になる方は加入している保険会社に確認してみましょう。

食中毒を防ぐための予防法

食中毒を防ぐには、食品の温度管理に加えて、調理をする人の衛生管理が大切です。食中毒の発生原因は細菌、ウイルス、寄生虫の順で多く、細菌とウイルスで全体の約8割 を占めています。さらに、家庭で発生する食中毒の原因のほとんどは、細菌によるものです。ここで、家庭で実践できる予防ポイントを紹介します。

食中毒予防の3原則

細菌による食中毒を予防するためには、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」ことが大切です。この食中毒予防の3原則は厚生労働省でも提唱されています。

細菌を食べ物に「つけない」

手洗いや調理器具の洗浄・消毒をしっかりと行うことで、人の手を介して細菌を食べ物につけることを防ぎます。具体的には、下記の対策が挙げられます。

  • ・料理中に汚れた手は布巾で拭いて終わりにせず、しっかりと手を洗う
  • ・生の肉や魚・サラダ用の生野菜の調理には器具を使い分ける

食べ物に付着した細菌を「増やさない」

細菌は不適切な温度管理によって、時間の経過とともに増殖していきます。そのため、食品は適切な温度で保管し、調理後は速やかに食べるようにしましょう。具体的には、下記の対策が挙げられます。

  • ・出来上がった料理はすぐ食べ、余った料理はなるべく早く冷蔵庫へ入れる
  • ・冷凍の肉・魚は常温解凍を避け、冷蔵庫や電子レンジで解凍を行う
  • ・適切な温度管理のため、冷蔵庫に入れる食品の容量は7割程度にする

食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」

細菌は熱に弱く、加熱調理を行うことで死滅します。生の肉や魚を調理する際は、中心までしっかりと加熱するようにしましょう。

対策方法を知って、事前に予防しよう

食中毒の症状と原因、対処と予防方法について紹介しました。
さまざまな原因で発生する食中毒。飲食店で提供されたものを防ぐのは難しいかもしれませんが、家庭での食中毒は、手洗いや調理器具の管理、食品の温度管理に気を付けていれば、防ぐことができます。ご自身やご家族の健康を守るためにも、予防ポイントを意識し、ご家庭で実践されてみてはいかがでしょうか。

2023年7月現在の法令をもとに執筆

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