医療保険を探す

年金受給額の計算方法って?減額もありうるって本当?

  • その他
  • share
  • Tweet
  • LINE

リタイア後の生活を設計するうえで重要な年金。国民年金や厚生年金など、働き方や家族構成により受給される年金の種類・額は異なります。また、定年後も働き続けることで年金受給額が減額になることもありえることは知っていましたか? 今回は現在の年金支給額の算出の仕方について解説します。

公的年金制度とは?

公的年金は、よく「3階建て」になっていると言われます。まず、公的年金制度は以下のように、3階層の構造になっているので、こちらの構造について分かりやすく解説していきます。

1階部分:全国民が加入する「国民年金」
2階部分:会社員、公務員が加入する「厚生年金」
3階部分:会社独自の年金制度である「企業年金」、公務員独自の上乗せ制度である年金払い退職給付 

1階部分:全国民が加入する「国民年金」

1階部分の国民年金は、いわゆる基礎年金といわれているもので、日本に居住するすべての20歳以上の人の加入が義務付けられる年金です。20歳に加入した後、滞納や免除がなければ毎年約80万円を安定的に受給することができるため、定額年金とも言われています。しかし、多くの場合滞納や免除が発生するため、満額で80万円を受給している人はあまり多くありません。

2階部分:会社員、公務員が加入する「厚生年金」

2階部分の厚生年金は、会社員や公務員である期間に加入します。大学卒業後企業に入社すれば、その年から退職するまでの期間、厚生年金の保険料を支払うことになります。1階部分と大きく異なる点は、厚生年金は保険料や年金受給額が加入期間の平均報酬額に比例するということです。

3階部分:会社独自の年金制度である「企業年金」、公務員独自の上乗せ制度である年金払い退職給付 

3階部分は、加入している人の数がかなり限定されています。

主に、「企業年金」・「年金払い退職給付」の2つで構成されています。自分の勤めている会社が企業年金制度を導入していれば、その会社の従業員は強制的に企業年金に加入させられることになります。一方、公務員は「年金払い退職給付」に加入します。

また、それらに加えて、個人型確定拠出年金や民間の生命保険等で販売されている個人年金保険を掛けることができます。

このように、公的年金は主に3つの階層に分かれています。また、以下の図でまとめたようにそれぞれ対象が異なり、階層が上がるほど対象が絞られて行きます。

階層

1階

2階

3階

種類

国民年金

厚生年金

企業年金

年金払い退職給付

対象

20~60歳の日本国民全員

会社員もしくは公務員

企業年金制度のある企業に勤務している人

公務員

自営業者、学生、サラリーマン、専業主婦など

サラリーマン、公務員、船員など

サラリーマン

公務員

 

年金受給額の計算の仕方

国民年金、厚生年金それぞれについて下記ポイントをまとめます。  

国民年金

  • 受給対象者

平成29年度8月1日より、保険料納付済期間(国民年金の保険料納付済期間や厚生年金保険、共済組合等の加入期間を含む)と国民年金の保険料免除期間などを合算した資格期間が原則として10年以上である国民に対して受給資格が与えられます。

 

  • 受給目安額

国民年金の受給平均月額は、約5万5千円と考えていいでしょう。

▼老齢基礎年金受給者状況の推移 平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況より

年度

平均受給額

平成23年度

55,623

平成24年度

55,637

平成25年度

55,265

平成26年度

55,026

平成27年度

55,688

 

  • 受給額算出方法

国民年金の算出は、基本的に以下の計算式を用います。

77万9300円×加入期間(月数)(保険料納付期間)/480 (平成29年度価格)

20歳から40年間保険料を納付していた場合、満額の約80万円を受け取れることになりますが、納付している期間が短くなると当然その分だけ年金額が減額します。例えば、35年間加入した場合、約80万×420/480月=約70万を受給することになります。

しかし、自営業者、無職や学生(国民年第一号被保護者)が保険料免除を利用した場合は以下の計算式を用います。

77万9300円×保険料納付済月数+(保険料免除月数×反映割合) / 480

反映割合

 

全額免除

3/4免除

半額免除

1/4免除

平成21年3月以前

1/3

1/2

2/3

5/6

平成21年3月以降

1/2

5/8

3/4

7/8

 

厚生年金

  • 受給対象者

受給対象者は以下の要件を満たしている人に該当します。

  1. 老齢基礎年金の受給資格を満たしている
  2. 厚生年金の被保険者期間が1年以上ある
  3. 65歳に達している

ただし、現在は60歳以上で1. 2.を満たしている方は特別支給の高齢厚生年金が支給されます。また、特別支給の高齢厚生年金の額は、報酬比例部分と定額部分を合わせた額となります。しかし、その額については昭和16年(女性は昭和21年)4月2日以降生まれの方からは、定額部分の支給開始年齢が引き上げられます。昭和24年(女性は昭和29年)4月2日生まれの方からは、報酬比例部分のみの額となります。

  • 受給目安額  

厚生年金の月額受給額の平均は、概ね14~15万円です。

▼厚生年金保険(第一号)受給権者平均年金月額の推移 平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況より

年度

平均受給額

平成23年度

149,334

平成24年度

148,442

平成25年度

145,596

平成26年度

144,886

平成27年度

145,305

 

  • 受給額算出方法

国民年金が加入期間のみで受給額が決定されるのに対して、厚生年金は加入期間と平均報酬額によって算出されるため、より複雑で難しくなっています。さらに平均報酬の定義が平成15年度3月を境に大きく変動し、その影響もあり、さらに計算が難しくなってしまっているので注意しましょう。

配偶者が亡くなってしまった時の受給額はどうなる!?  

遺族に支払われる公的年金制度

遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなった時に、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることのできる年金です。また、遺族年金には主に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。支給要件、対象者をまとめると以下のようになります。

遺族基礎年金

遺族厚生年金

支給要件

被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。)

被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。
1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

対象者

★死亡した者によって生計を維持されていた、
(1)子のある配偶者 (2)子
 
 子とは次の者に限ります
18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

死亡した者によって生計を維持されていた、
妻、子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)
※30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となります。
※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限ります)は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

 

遺族基礎年金

遺族基礎年金は基本的に国民年金と同額です。しかし、その額に子供の数だけ以下の額の分だけ加算されていきます。

 子の加算 第1子・第2子 各 224,300円
 第3子以降 各 74,800円

遺族厚生年金

遺族厚生年金は老齢厚生年金の3/4を受け取ることができます。また、遺族厚生年金には25年のみなし加入措置があるので、年金に加入している期間が25年間に満たない場合でも、そのぶんを加算して受給できます。

よって、計算式は
「これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額」÷加入月数×300ヶ月(25年)×3/4
となります。

 

年金支給額が減額されることがあります

働きながら年金を受けると、年金額の一部または全部が支給停止されることがある  

在職老齢年金の支給停止の対象としては「60~65歳未満」と「65歳以上」の主に2つの層があります。また、これはどちらにおいても共通ですが、基本的に支給停止の要因となるのは、「基本月額」と「総報酬月額相当額」の2つです。以下より、対象ごとにどの場合に停止額が生じるのか、またそれをどうやって算出するのかについて説明します。

1.60歳以上65歳未満

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合は、支給停止額は0円となり、全額支給されます。以下に、一部または全額支給停止される要件と、その金額について図解します。

2.65歳以上

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が46万円以下の場合、支給停止額は0円となり、全額支給となります。支給停止額が発生する場合とその金額は下図のとおりとなっています。

 

高年齢雇用継続給付を受けると、年金額の一部が支給停止される

雇用保険の高年齢雇用継続給付とは、雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者に対して、賃金額が60歳到達時の75%未満となった方を対象に、最高で賃金額の15%に相当する額を支給するものです。

厚生年金保険の被保険者の方で、特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金を受けている方が雇用保険の高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金)を受けられるときは、在職による年金の支給停止に加えて年金の一部が支給停止されます。

支給停止される年金額は、最高で賃金(標準報酬月額)の6%に当たる額です。

 

まとめ

老後の生活に欠かせない年金ですが、その仕組みは複雑になっていて、きちんと把握している人はあまり多くないかもしれません。今回を機に年金について興味を持ち、老後のお金のシミュレーションを考えていただけるようですと幸いです。老後安心して暮らせるように、まだ若い読者の方も、年金について詳しく勉強してみてはいかがでしょうか。

    SNSシェアしよう!

  • share
  • Tweet
  • LINE

関連記事

おすすめ保険情報

カテゴリー一覧