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入院保険は本当に必要!? 入院保険が必要な人の条件とは

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病気や怪我に備えて医療保険(入院保険)に入るのは当たり前……。そんな風に考えている人が多いかもしれませんね。たしかに将来のリスクに備えて保険を検討することは大切ですが、公的な医療保険制度があるのに、果たして全員に医療保険(入院保険)が必要と言えるのでしょうか? 今回は、医療保険(入院保険)の特徴を見ながら、本当に加入が必要なケースを検討してみましょう。

入院保険とは

入院保険とは、病気や怪我によって入院した時に、その入院費用を保障してくれる保険です。また、手術や通院に対して給付金が支払われるタイプもあります。

入院保険と医療保険の違い

入院保険と医療保険という言葉を区別せずに用いている方は多いのですが、実はこれらは同じではありません。いったい何が違うのでしょうか? 医療保険とはその名の通り、三大疾病対策の保険やがん保険等を含む、医療に関する様々な保険の総称です。一方で入院保険は上述の通り入院費用を保障してくれる保険のことをいいます。つまり、医療保険のほうが入院保険より広い意味を持っており、入院保険は医療保険の中の一つのジャンルに位置づけられます。しかし、最近では入院保険を医療保険と呼ぶことがほとんどで、意味合いの違いも薄れてきているようです。

入院保険の種類

ここからは入院保険の保障について解説していきますが、その前に入院保険の種類を把握しておきましょう。入院保険には、大きく分けて「定期型入院保険」と「終身型入院保険」の二種類が存在します。まずはそれぞれの特徴を説明します。

  • 定期型入院保険

定期型は、保険による保障期間が3年、5年、10年などの一定期間で区切られています。保障期間が限定的である一方、保険料を支払う期間も短く設定されているため、保険の見直しが簡単にできるというメリットがあります。しかし、同じ保険を何度も更新し続けると、そのぶん保険料も高額になっていくため、長期的な利用を検討したい場合には不向きなプランです。また、ある特定の年齢までしか更新することはできません。

  • 終身型入院保険

終身型は、定期型と異なり、一生涯を通して保険料が変化しません。定期型入院保険の同年代の加入者と比べると保険料は割高になりますが、定期型の保険料が更新のたびに増加していくことを考慮すれば、長期的な利用を考えている場合におすすめと言えるでしょう。
また、終身型にも「終身払い」と「短期払済」という二つの支払い方法があります。終身払いとは、その名の通り、保険料を死亡するまで払い続けることを指します。それに対して短期払済は、60歳か65歳までに一生分の保険料を払い終えるという方法です。終身払いより短期払済のほうが月々の保険料は高額ですが、長生きした場合、結果として支払う総額は短期払済のほうが少なくなります。

それぞれのメリット・デメリット

定期型入院保険は、保険料が契約時の年齢で決まる上、その保険料の設定自体も終身型と比べて安価です。そのため、限定的な保証期間でも構わない場合には、こちらの方が保険料を抑えることができます。また、定期的な更新ができるので、柔軟性を持った保険の選択が可能になります。一方で、同じ保険を何度も更新すると、そのたびに保険料が高くなっていきますし、保障期間にも限度があります(60歳や70歳など)。よって、長期的な保障を考えている人や長生きした際の保障を考えている方には向いていません。

それに対して終身型入院保険は、初めの頃こそ保険料が割高ですが、金額が固定されているので、長期で見れば結果的に保険料を抑えられることがあります。終身型には二つの支払い方法がありますが、その違いは保険料と支払い期間です。その人がどれだけ生きるかによって支払額は異なるので、どちらが安いかは一概に言えません。それぞれの長所短所をよく理解することが大事でしょう。

保障内容

入院保険には、病気や怪我で入院や手術をした時に備える保障がいくつも用意されています。具体的な保障内容は保険会社や商品によって様々ですが、ここでは主なものについて紹介します。

  • 入院給付金

病気や怪我で入院した時に受け取ることができる給付金です。

  • 手術給付金

入院中あるいは外来で手術を受けた時に受け取ることができる給付金です。一般的に、入院給付金とあわせて入院保険の基本契約になっています。

  • 先進医療給付金

厚生労働大臣の認定する先進医療による治療を受けた時に受け取ることができる給付金です。

  • 退院給付金

退院後の通院の負担軽減のために退院時に受け取ることができる給付金です。外来での手術や短期間の入院後の手術は対象外となることがあります。

  • 特定疾病保障

三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳血管疾患)や、七大生活習慣病(がん・急性心筋梗塞・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝疾患・腎疾患)など、特定の疾病で入院や手術を行った際に一時金が支払われる保障です。一般的には基本契約に含まれず、特約として付帯します。

  • がん保障

がんと診断された時や入院・手術した時に一時金が支払われる保障です。特定疾病保障のように基本契約に特約として付帯するのが一般的ですが、がんの保障に特化した「がん保険」も存在します。

 

入院にはどれくらいのお金が必要?

入院時にかかるお金は治療費だけではありません。そのほかにかかる主な費用としては「先進医療の技術料」、「差額ベッド代」、「入院時の食事代」、「生活雑費」などがあり、合計するとかなりの金額になります。
 また、上記の各種費用の支払いだけでなく、「逸失収入」も大きな痛手になるでしょう。逸失収入とは、本来収入として入ってくるはずだったお金が、入院によって得られなくなることを指します。つまり、10日間入院すれば10日間分の収入が失われるということです。これは極端な例であり、実際にはある程度の金額は保障されますが、いずれにせよ収入は減ってしまいます。

公的医療保険対象外の費用

入院時の自己負担を軽減するために、基本的な医療費に対しては国民健康保険などの公的医療保険が適用されることになっています。ただし、上でご紹介した費用は公的医療保険の対象外となるため、全額を個人負担しなくてはいけないこともあります。ここでは、公的医療保険が適用されない費用のうち、特に高額になりやすい「先進医療の技術料」と「差額ベッド代」について解説します。

  • 先進医療の技術料

先進医療の技術料とは、難病などに向けて開発された新しい治療や手術にかかった費用のことです。これらの治療や手術は公的医療保険の対象にするかを審査中であり、現段階では公的医療保険の対象外となっています。多くの人が罹患するリスクを抱えているがんについても、その治療が先進医療の技術に該当する場合があるため、結果的に高額な費用を負担することになりやすいのです。

  • 差額ベッド代

差額ベッド代とは、個室などのより良い部屋を希望した際に別途発生する費用のことです。通常の大部屋であれば追加費用が発生しませんが、入院環境の向上をはかるために少人数の部屋や個室を希望することもあるでしょう。その際にかかる費用も公的医療保険の対象外となります。

入院保障日額

では、具体的にどれくらいの金額が入院時にかかるのか見ていきましょう。公的医療保険の適用を受けた治療費に、先ほどの公的医療保険適用外の費用をあわせた金額を「自己負担額」と呼びます。入院時の自己負担額と逸失収入を加えた金額は平均して27万円です。また、自己負担総額を入院日数で割った1日あたりの金額は平均23,900円となっています。

 

入院保障日数

入院費用や逸失収入は、入院日数が長引けば長引くほど負担が大きくなります。また、入院保険には入院保障日数が定められているため、長期間の入院では保障対象外の期間が発生する可能性もあり、注意が必要です。入院日数の平均は31.9日と言われていますが、もちろん病気によって日数は大きく異なります。以下の表にまとめたので参考にしてください。

傷病分類

入院日数(単位:日)

I 感染症及び寄生虫症

20.9

 

結核

58.7

ウイルス肝炎

16.3

II 新生物

18.7

 

悪性新生物(がん)

19.9

胃の悪性新生物

19.3

結腸及び直腸の悪性新生物

18.0

肝及び肝内胆管の悪性新生物

18.8

気管、気管支及び肺の悪性新生物

20.9

乳房の悪性新生物

12.5

III 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害

21.8

Ⅳ 内分泌、栄養及び代謝疾患

28.5

 

糖尿病

35.5

高脂血症

29.4

Ⅴ 精神及び行動の障害

291.9

 

血管性及び詳細不明の認知症

376.5

統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害

546.1

躁うつ病を含む気分(感情)障害

113.4

Ⅵ 神経系の疾患

82.2

 

アルツハイマー病

266.3

Ⅶ 眼及び付属器の疾患

4.1

Ⅷ 耳及び乳様突起の疾患

7.8

Ⅸ 循環器系の疾患

43.3

 

高血圧性疾患

60.5

心疾患(高血圧性のものを除く)

20.3

脳血管疾患

89.5

Ⅹ 呼吸器系の疾患

27.3

 

肺炎

29.7

慢性閉塞性肺疾患

68.1

喘息

10.8

ⅩⅠ 消化器系の疾患

13.0

 

う蝕

1.6

歯肉炎及び歯周疾患

2.1

肝疾患

25.8

ⅩⅡ 皮膚及び皮下組織の疾患

22.7

ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患

31.1

ⅩⅣ 腎尿路生殖器系の疾患

23.6

 

慢性腎不全

62.9

ⅩⅤ 妊娠、分娩及び産じょく

7.9

ⅩⅥ 周産期に発生した病態

10.9

ⅩⅦ 先天奇形、変形及び染色体異常

15.5

ⅩⅧ 症状、徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの

23.7

ⅩⅨ 損傷、中毒及びその他の外因の影響

31.7

 

骨折

37.9

ⅩⅩ 健康状態に影響を及ぼす要因及び保険サービスの利用

9.9

(参照:平成26年(2014)患者調査の概況|厚生労働省

 

保険は本当に必要なの?

ここまで入院に関する統計データを紹介してきましたが、今度は実際にそのデータを使って入院費用をシミュレーションしてみましょう。Aさん(35歳、男性)を対象に、終身タイプの入院保険に加入している際にがんに罹患した場合の入院費を見てみます。

給付金のシミュレーション

まず、Aさんが入院日額1万円の入院保険に加入していたとします。以下がその入院保険の保障内容と保険料です。

B社 終身入院保険

入院日額1万円(60日間まで)、手術給付金20万円

保険料:終身払いの場合は月額3,572円/65歳払済の場合は月額4,852円

がんの場合の平均入院日数は20日間ですので、入院日額1万円を掛けて、20日間で20万円が支給されます。手術も行うので、手術給付金20万円が支給されます。以上二つを合計すると、支給金額は40万円となります。先ほど提示した統計データの入院時の平均費用27万円は支給金額でしっかりカバーできています。

支払い保険料のシミュレーション

次に、Aさんが支払う保険料の総額を考えてみましょう。仮にAさんが80歳まで生きたとすると、支払う保険料の総額は終身払いの場合で3,752円×12か月×45年=約203万円、65歳払済の場合は4,852円×12か月×30年=約175万円となります。がんに一回かかると40万円が支給されるわけですから、単純計算で5回入院すれば支払った保険料よりも支給される金額のほうが多くなるのです。この金額を見ると、人によっては入院保険が必ずしも必要ではないと感じるかもしれませんね。

入院保険が必要な人

上記のようなシミュレーションをしてみると、入院保険が必要な人と不要な人が出てくるのは明らかです。例えば、以下のケースに該当するような人は入院保険に加入したほうが良いでしょう。

  • 貯蓄額が少なく、入院など不測の事態による急な出費に対応できない場合

公的医療保険があることによって、高額な出費自体は避けられますが、それでも平均して20~30万円の出費は避けられません。現在の貯蓄が少ない人、将来貯蓄ができるか不安な人、現在の職に不安を抱えている人などは保険に加入することで突然の出費に備えることができます。

  • 子どもがまだ若い、もしくはこれから子どもを持つ予定がある場合

子どもの養育には予想以上に多額のお金がかかります。どのような金額がいつかかるか予測しにくいため、現在子どもがいる、あるいは今後子育てを予定しているなら、入院による突然の出費はカバーしておきたいものです。

  • 先進医療の利用を考えている場合

すでにご説明したように、公的医療保険の適用対象外である先進医療についてはその治療費に対する保障がありません。そのような先進医療に対しては民間の入院保険が対応していますので、ここに必要性を感じる人は加入を検討したほうが良いでしょう。

  • 複数回の入院に備えたい場合

先ほどの例では5回入院したら保険料の元が取れるという計算結果になりました。病気によっては再発を繰り返すものもあります。また、十分な収入が見込めない老後に入退院を繰り返す可能性もあるので、十分な備えをしておくと安心でしょう。

  • 計画的な貯蓄が苦手な場合

「保険として積み立てるなら、自分で積み立てても同じだ」と考える人もいます。これは正論なのですが、自力で継続的な積み立てを行うことが苦手な人も多いのが実情です。そのような人は、自動的に毎月一定額を積み立ててくれるような保険に加入すると心強いでしょう。

  • 保険に加入することで安心を得たい場合

人によっては、保険に入ることで「安心感」を得られる、というメリットが大きいかもしれません。これから先に何が起こるかは誰にもわかりません。例えば、現在は公的医療保険制度のおかげで自己負担費用が軽減されていますが、少子高齢化が進む中でその保険制度の見直しが検討されています。将来も同様の保障が得られるとは言い切れませんので、民間の入院保険が重要になってきます。予測できないことは、「予測できない」からこそ備えが難しいのです。そこで保険を利用して十分な備えをしておけば、未来の生活に対する安心を得ることができます。

 

入院保険が不必要な人

一方で、以下のようなケースに該当するのであれば、入院保険への加入は必須ではありません。

  • 十分な貯蓄があって、急な出費にも備えられている場合

    複数回の入院が現実的ではないと思われる場合

    計画的に貯蓄することが得意な場合

    先進医療の利用は検討していない場合

    保険がなくても安心して生活できる環境がある場合

いずれにせよ大切なことは、周りの人が保険に入っているからと言って、安易に入院保険に加入しないことです。本当に自分に必要なのか、必要であるならばどんなプランが適当か、事前に検討してから加入することをおすすめします。

入院保険の必要性を検討しましょう

 入院保険が必要なケースは、貯蓄に不安がある場合や高額な医療費に備えたい場合と言えるでしょう。また、入院保険への加入によって安心感を得ることもできます。つまり、十分な貯蓄がある場合や公的医療保険で賄える場合、もしくは保険に加入しなくとも安心できる環境が整っているのであれば、入院保険は必須ではありません。今回は単純化するためにシンプルな保険のプランを扱いましたが、そのほかにも先進医療向けの保険や、がんに特化した保険など様々なものがありますので、この機会に検討してみてください。

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