大学進学にかかるお金は公的支援や学資保険でカバー
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子どもの教育費は事前に準備しておくのが基本ですが、いざという時に足りなくなったらどうすればよいのでしょうか。
国や自治体、公的団体による支援について知っておきましょう。
一概に学資保険といっても、『どの保険を選べばいいかわからない』などの疑問をお持ちではないでしょうか?
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年収に対してどれくらいの教育費がかかる?
次の表は、ベネッセ教育総合研究所が調査した、子ども1人当たりの年間の教育費と年収に占める教育費の割合です。
全体的に、年収が上がれば教育費の支出額も上がる傾向にあります。
クリックで拡大します。
※ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査」(2009年)のデータを元に作成
また、高校生から大学生にかけては、特に教育費の支出が増すでしょう。
日本政策金融公庫の調査(2018年)によると、高校・大学の入学や在学にかかる費用はおよそ950万円です。
進学が間近になってから貯蓄を始めても、間に合いません。
もし、将来教育費が不足したらどうしたらよいのでしょうか。
どのように教育費を捻出する?
そこで知っておきたいのが公的支援です。
例えば、以下のような支援制度があります。
児童手当
中学校を卒業するまでは児童手当を受給できます。
月額は以下の通りです。
年齢 | 受給金額 |
3歳未満 | 一律1万5,000円 |
3歳~小学校修了まで | 第1子・第2子 1万円/第3子以降 1万5,000円 |
中学生 | 一律1万円 |
所得制限(※)を超えた場合 | 一律5,000円 |
※所得制限の限度額は、扶養親族の人数によって異なります。
参考: 長崎市子育て応援情報サイト「イーカオ」「児童手当・特例給付」をもとに執筆者作成
高等学校等就学支援金制度
市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額が50万7,000円未満の世帯を対象とした返還不要の授業料支援制度です。
高校(公立・私立)等の授業料として、全日制の場合で月額9,900円が直接学校側に支給され、授業料と相殺されます。
なお、私立高校に通う場合、市町村民税所得割額に応じて支給額が最大2.5倍になります。
条件によって支給額は異なるので、よく確認しましょう。
国の教育ローン
中学校卒業以上の子どもの教育資金のための融資です。
原則最高350万円まで借り入れが可能で、15年以内に返済します。
固定金利年1.66%(2019年12月7日現在)です。
ただし、あくまでローンなので、困った時だけの頼りにしたいものですね。
母子父子寡婦福祉資金貸付金
ひとり親家庭を対象に、修学や就業のための資金を貸し付ける制度です。
償還(返済する)期限は貸付金の種類によって異なりますが、3~20年間で、
基本的に無利子ですが、保証人がいない場合は年利1.0%となります。
自治体によっては、ひとり親を支援する制度もありますので、チェックしてみてください。
育英資金
東京都では、東京都私学財団が高校や専修学校等の在学者に対して、無利息での奨学金の貸し付けを実施しています。
経済的に困っている世帯が対象です。
ほかの地域でも似た制度を実施している場合がありますので、確認してみましょう。
奨学金
日本で最も有名で利用者が多いのは、日本学生支援機構の奨学金です。
大学や大学院、高等専門学校等で学ぶ人が対象で、原則は貸与型です。
海外留学をする人向けとして給付型もあります。
貸与型のなかでも種類によって条件が異なりますので、詳細はホームぺージ等で確認してください。
なお、大学や民間団体などでも成績優秀者や修学が困難な学生を対象とした給付型の奨学金制度を実施している場合があります。
探してみるとよいでしょう。
贈与
贈与税は、年間110万円まででないと非課税にならないと思っている人もいるかもしれません。
しかし、実は孫の学費を祖父母が負担する場合、基本的に非課税になります。
可能であれば相談してみてはいかがでしょうか。
学資保険は大学進学のお金の足しになる?
学資保険とは、子どもや孫の授業料や入学金などの教育資金に備えて加入する保険です。
学資保険には次の2つの特徴があります。
1. 授業料や入学金が必要なときに保険金を受取れる
2. 契約者が死亡や高度障害状態になったときは保険料の支払いが免除されるが、保険金は受取れる
生命保険は主に死亡や事故などの不測の事態に備える保険ですが、学資保険は子どもや孫の進学という起こる可能性が高い事態に備える保険です。
そのため、保険金を受取れる可能性が高いという特徴があります。
また、学資保険には、契約者が死亡や高度障害状態になったときは、以後の保険料の支払いが免除されるという特徴があります。
親や祖父母に万が一のことが起こったときでも、子どもや孫に進学を諦めさせたくない場合、学資保険を検討するとよいでしょう。
ただし、祖父母が契約者になる場合、加入条件にいくつかの注意事項があるため、必ず保険会社に確認をするようにしてください。
大学進学にかかる費用
大学進学時にかかる平均的な授業料と入学金(平成28年時点)は以下の通りです。
なお、表中の授業料は年額ですので、4年制大学で留年・休学せずに進んだ場合は、卒業までに4倍の授業料を支払うことになります。
国立大学 | 私立大学 | |
入学金 | 282,000円 | 253,461円 |
授業料 | 535,800円 | 877,735円 |
あくまでも平均的な金額ですので、私立の理系学部や医歯薬学系にすすむ場合はさらに高額な授業料がかかることもあります。
また、大学進学を機に一人暮らしをする場合は、敷金や礼金なども必要になることがあります。
大学進学時のお金が不安なときは、学資保険に加入して備えることも1つの手段と言えるでしょう。
学資保険の満期金を200万円に設定すると
学資保険の満期金を200万円に設定すると、大学の学資を以下のようにカバーできます。
国立大学 | 私立大学 | |
入学金+4年間の授業料 | 2,425,200円 | 3,764,401円 |
学資保険の満期金が200万円のときの差額 | 425,200円不足 | 1,764,401円不足 |
学資保険で不足する分を単純に4年間で分割して払うと計算するならば、国立大学で月に9,000円弱、私立大学で37,000円弱となり、家計への負担を大幅に縮小できます。
ただし、私立理系学部や医歯薬系学部、6年制学部、大学院への進学を検討しているときは、満期金をもう少し増やすことも検討しておきましょう。
進学プランに合わせて学資保険を選ぶ
学資保険によって、保険金を受取るタイミングが異なります。
中には中学や高校進学時に保険金の一部を受取れるものや、大学在学中毎年保険金を受取れるものもありますので、進学プランに合わせて保険金の受取タイミングを決めるようにしましょう。
また、合格してすぐに入学金を納める場合や、推薦入試などで早期に入学金や授業料の一部を納める場合もあります。
私学や推薦入試も検討している方は、高校3年生の10~1月頃に保険金を受取れるのかもチェックしてから保険商品を選びましょう。
1. 中学や高校、大学進学時にそれぞれ保険金を受取れる
2. 大学在学中、毎年保険金を受取れる
3. 大学進学が決まった時点(入学年の1月や苑前月)に保険金を受取れる
早めから貯蓄、節約しておくのがベスト
教育費に関する制度をご紹介しましたが、計画的な貯蓄をすることが最も大切です。
私立への進学を考える場合は、特に早くから準備したいもの。
貯蓄する習慣がないのであれば、財形貯蓄制度のように給与天引きにするのが理想です。
教育費のようにまとまった額の貯蓄をするためには、計画性と強制力も重要です。
それでも難しい場合は、今回ご紹介したような制度を検討してみてください。
まずは児童手当の分を貯蓄することから始めてもよいですね。
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- 参考 :
- 児童手当【所得制限限度額未満のかた】|長崎市
- 高校生等への修学支援|文科省
- 長崎県母子父子寡婦福祉資金貸付金|長崎県
- 母子父子寡婦福祉資金|島根県
- 資金の貸付|大分県国東市
- No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁
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